シクロケム、α-CDで酪酸の腐敗臭の抑制に成功飼料添加物や機能性食品素材に応用へ

シクロケムは、サイクロデキストリン(CD)を利用して、酪酸の腐敗臭をマスキングすることに成功した。酪酸は整腸作用などが確認されているものの、揮発性の臭いのために利用が限られていた。シクロケムは、飼料添加物や機能性食品素材などへの利用が見込めるとして、5月上旬より営業活動を開始する。

短鎖脂肪酸の1種である酪酸を、グルコースが6個環状につながったサイクロデキストリン(α-CD)の内部に包接した。シクロケムは、酪酸を包接化した状態でα-CDを粉末化する技術も開発しており、飼料や食品のメーカーに対してサンプルの出荷を行う。シクロケムはCDメーカーのドイツWacker-Chemie社の日本総代理店を務めているが、今回の用途開発はシクロケム独自の成果だ。

酪酸はエネルギー源としてだけでなく、腸管内で消化管細胞の増殖を活性化する機能があることが知られている。反芻動物の第1胃(ルーメン)の内部で短鎖脂肪酸を吸収する絨毛の発育を促進することが確認されているほか、反芻動物でないラットでも腸管の発育が観察されている。このほか、酪酸が腸管の運動を活発にし、糞便の排出を促進することも、動物実験で確認されている。酪酸のヒトでの効果は動物ほど明らかになっていないが、大腸性の下痢を抑制する効果が知られている。

シクロケムは、α-CDで粉末化した酪酸のヒトでの成長効果を明らかにし、将来的には特定保健用食品の関与する成分に利用できるように準備を進める計画だ。(坂田良太郎)