空気中の有害物質や花粉 環状オリゴ糖で除去

水澤化学とシクロケム 建材向け素材開発へ
無機系消臭剤と複合

化学ベンチャーのシクロケム(神戸市、寺尾啓二社長)と水澤化学工業(東京・中央、柳沼幸男社長)は住環境の改善などに役立つ新素材を共同開発する。シクロケムの環状オリゴ糖の技術と水澤化学の無機系消臭剤を組み合わせ、空気中の揮発性有機化合物(VOC)や花粉、アンモニアなど人体に悪影響を及ぼす恐れのある物質を除去する。建材や壁紙の素材として年内の出荷開始を目指す。

シクロケムによると、環状オリゴ糖(CD=シクロデキストリン)はトルエンやホルムアルデヒド、ベンゼンといったVOCの分子を、複数のオリゴ糖で形成する環の中に取り込む性質を持つ。またCDにはバクテリアやウィルス、花粉などを吸着する性質もあるという。

CDをアンモニアや硫化水素を除去する水澤化学の無機系消臭剤と複合することにより、アレルギーや感染症への対策、悪臭防止など幅広い機能を併せ持つ新素材を開発できる可能性が高いとしている。

近く新素材に採用する環状オリゴ糖の種類や消臭剤の選定に入り、どんな複合方法を採用すれば効果が出るのかといった製品化に向けた検討作業を開始する予定。両者は様々な用途にあった複数の素材を開発する計画で、素材の価格は1キロ当たり数百ー数千円となる見通しだ。

新素材の用途は住宅内のVOCを除去してシックハウス症候群の発生を防ぐため床材や壁紙に混入させる材料のほか、花粉症や風邪防止マスク、空気清浄機などへの装着を想定。ウィルス学専門の千葉工業大学・高久洋教授の協力を得て、医療分野で利用する新素材の開発も目指す。