γ-CD包接によりCOQ10の安定性と吸収率大幅改善

「シクロケムとドイツワッカー社共同研究」 食品など応用範囲拡大か

(株)シクロケム(本社=神戸市、078・302・7003/東京オフィス=東京都中央区、03・3274・2281)はこのほど、ドイツワッカー社との共同開発でγシクロデキストリン包接によりコエンザイムQ10の安定化および吸収率の向上に成功した。同社はドイツワッカー社のシクロデキストリンを含むスペシャリティー製品の日本総代理店として2002年12月から活動している。

「コエンザイムQ10」には強力な抗酸化作用があるため、最近では驚異の若返りサプリメントとしても知られている。しかし、コエンザイムQ10は光や熱に非常に弱い物質であり消失しやすく、また、ビタミン類を配合することによっても消失する。
「シクロデキストリン」は、トウモロコシやバレイショの澱粉から酵素反応によって合成されるブドウ糖を構成単位とした環状オリゴ糖。外側は親水性であり、内側は親油性があり、環のサイズによって、その内腔にさまざまな分子を包みこむことができる(包接化)。この包接化を利用すると、油性物質を水に溶かしたり、物質の安定性を高めたり、嫌な臭いや味をマスキングしたり、反対にいい香りをゆっくりと出すことも可能である。
現在、シクロデキストリンはこのユニークな性質ゆえに食品、医療品分野にとどまらず、家庭品、化学、工業、農業などさまざまな分野で広く用いられている。シクロデキストリンにはα、β、γと三種類あるが、γシクロデキストリンは食品への広範囲な利用に関して世界的にも安全性が認められている。
シクロケム社とドイツワッカー社はコエンザイムQ10のγシクロデキストリン包接を実現し、これによりコエンザイムQ10の安定性が大幅に改善されることが確認された。さらに、γシクロデキストリン包接によりコエンザイムQ10の吸収率についても大幅な向上が確認された。
コエンザイムQ10は脂溶性物質であることから、通常のサプリメントによって摂取しても吸収率はあまり高くない。そこでコエンザイムQ10は、その吸収率を高める工夫を施した医薬製剤化がなされている。
このコエンザイムQ10の「γシクロデキストリン包接体」と「医薬製剤」との吸収率を比較すると、コエンザイムQ10の吸収率を高める工夫を施した「医薬製剤」よりも「γシクロデキストリン包接体」の方が、さらに数倍高い吸収率を有している。この吸収率向上は、水の中で凝集してしまうコエンザイムQ10をシクロデキストリン包接によって分子単位で分離したために各分子の腸管への接触率を大幅に高めたためであると考えられる。