CoQ10にγ-CDを包接

安定性と吸収率を大幅改善 - シクロケムと岡山理大浜田教授が共同開発 -

独ワッカー社のシクロデキストリンを含むスペシャリティ製品の日本総代理店として2002年12月から活動しているシクロケム(神戸市中央区、寺尾啓二社長)はこのほど、岡山理科大学の浜田博喜教授との共同開発研究で、γ-シクロデキストリン(略称:CD)包接によりコエンザイムQ10(略称:CoQ10)を安定化するとともに、吸収率が向上することを見出したことから、従来のCoQ10に高付加価値を付けた新製品として、12月から市場開拓に乗り出した。
 強力な抗酸化力があるCoQ10は現在大きなブームを呼んでいるが、光や熱に非常に弱く、またビタミン類と混合してもすぐに消失してしまう特性を有している。一方のCDはでん粉から酵素反応で製造する環状オリゴ糖。油性物質の水溶化、物質の安定化、臭いや味のマスキング、逆に良い匂いを少しずつ放出することなどが可能な物質で、食品添加物・素材の製剤化など様々な分野で広く使われている。
 今回の共同開発はCoQ10をγ-CDで包接することにより、安定性を大幅に改善した。例えば、高湿下(60度℃)でCoQ10とでん粉の混合物が時間を経るとともに、CoQ10が減少するのに対し、γ-CDで包接したものは6週間経ても減少せず安定した。また、日光露光下でのCoQ10の安定性試験では時間の経過をみると、対象のでん粉混合物より、CDに包接したCoQ10の減少率は緩やかで安定していた。さらに、吸収率の試験では、CoQ10の医薬製剤と比較して、γ-CD包接体の方が数倍高い吸収率を有していることを突き止めた。このことは吸収率が悪いとされるCoQ10にとって画期的なことである。このメカニズムとしては、水の中で凝集してしまうCoQ10をγ-CD包接によって分子単位で分離して、腸管への接触率を高めたためと推定されている。