αCD アレルギー疾患を改善

血糖値上昇抑制に続く知見 シクロケムが効果確認

シクロケム(本社・兵庫県神戸市、寺尾啓二社長)は、環状オリゴ糖の一つであるαシクロデキストリン(αCD)に、アレルギー疾患に対する改善効果があることを見いだした。昨年、血糖値の上昇抑制効果を発見し、関連会社を通じて機能性食品素材としての販売を始めたところ、顧客からアレルギー疾患にも効果があるとの声が寄せられた。このため第三者の協力を得て効果の確認を行い、今月二十四日に特許を出願した。今後、大学との共同研究で科学的な解明を進めるとともに、新しい知見を訴求した製品展開や他社との協業を推進していく考え。

シクロデキストリン(CD)はブドウ糖分子が環状につながったデンプンの一種で、α型、β型およびγ型の三種がある。シクロケムは世界最大のCDメーカーである米ワッカーバイオケムの日本における総代理店でもあり、輸入販売のほかにCDの新規用途開発や関連事業を展開。αCDについては、血糖値上昇抑制効果に着目し、関連会社のテラバイオレメディックを通じて健康食品「ピュアファイバー」(商品名)を販売している。

αCDの効果に関する新知見は、ピュアファイバーの服用者からの声をもとに確認。気管支喘息、アトピー性皮膚炎およびアレルギー性鼻炎のそれぞれについて、これらの疾患を持つ人に一定期間αCDを服用してもらい、効果を検討した。この結果、気管支喘息の四人の被験者は二カ月の服用で症状が消失したほか、アトピー性皮膚炎とアレルギー性鼻炎についても著しい改善効果がみられたという。

シクロケムでは、これら新知見の科学的解明などを目的に、摂南大学薬学部の中西邦夫教授らと共同研究を進める。研究テーマは「自然発症アトピー性皮膚炎マウスを用いた血清中IgE(免疫グロブリンE)抗体価におよぼすαCDの影響」というもので、αCDの免疫抑制剤としての利用可能性などを探る。

CDは自然界での存在が約百年前に発見され、工業生産が始まったのは二十数年前。基本的な性質である包接と放出の昨日が着目され、物質の安定化や徐放、マスキングなどに使われてきたが、血糖値上昇抑制に加えてアレルギー疾患改善効果も分かったことから、シクロケムでは「これまでの脇役的な使われ方から、主役になる可能性がある」(寺尾啓二社長)と話している。