株式会社シクロケム
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ニュースリリース

γCD包接で吸収性向上

CoQ10製剤でヒト試験

シクロケム(東京都中央区)は、γサイクロデキストリン(CD)でコエンザイムQ10(CoQ10)を包接・安定化した「包接ナノ化CoQ10」を開発、展開しているが、ヒトへの投与試験を行い、原末に比べ吸収性が格段に高いことを確認した。ナノサイズのCDで包接し、分子マイクロカプセル化したCoQ10は、原末やセルロース混合体に比べ、安定性が高まることがこれまでに明らかにされ、他の物質と配合したときも変化が起こらず、配合忌避の恐れが少ないとされていた。また、γCDは、他の薬理活性成分を包接したとき、胃の中で安定であり、腸の中で成分を徐放し、それ自身は吸収されず、消化されることもヒト試験で明らかにされていた。γCD包接CoQ10は水溶性が高いことも明らかにされていた。

CoQ10・γCD包接体のヒトへの吸収性試験はこれまで行われていず、熊本大学で行われたビーグル犬を対象にした試験では、血中濃度が有意に高まることが明らかにされていた。そこで今回、ヒトでの吸収性試験を、製薬関連の試験機関である長野県伊那市のイナリサーチと共同で、24人によるクロス試験として行った。試験は24人を12人ずつ2グループに分け、CoQ10をそれぞれ30㎎含むγCD包接体とセルロース混合物を投与し、48時間血中のCoQ10濃度を測定した。その結果、投与者のCoQ10濃度の平均は、γCD包接体群がセルロース混合体群に比べ、約18倍と格段に高い結果が得られた。ヒトにおいてもビーグル犬の場合と同様、吸収性が高まる相関が見られた。

同社が提供する包接ナノ化CoQ10は20%含有品で、原末に比べると含有量は低いが価格が半値程度であり、吸収性や安定性に優れコストパフォーマンスが高いとして、積極的な展開を進めている。