α-リポ酸をγ-CDで包接
安定性、溶解性を改善
三共ライフテック(東京都文京区、安藤弘一社長)は10月から、強い抗酸化効果を持つα-リポ酸をγ-CD(サイクロデキストリン)で包接した機能性素材「αリポ酸CD-20」の市場開拓を開始する。γ-CDによる包接で、αリポ酸を安定化させ、水に溶けやすくした。同社ではソフトカプセルを中心に、サプリメントや健康飲料に向けて積極的に展開する計画である。
α-リポ酸は水に溶けず、熱に弱く、独特の味と臭いがあり、加工が困難であることが指摘され、いくつかの問題点を解決しなければ、需要の広がりが期待できない状況であった。新製品の「αリポ酸CD-20」は、成分としてα-リポ酸が20%、γ-CDが80%で、安定性、溶解性、味や臭いが格段改善されている。
これまで、三共ライフテックはα-リポ酸市場の拡大に寄与し得る画期的製剤の開発を目指し、CD企業であるシクロケム(東京都中央区、寺尾啓二社長)と共同して、α-リポ酸の各種CDによる包接化を検討し、今回の開発に至った。両社はγ-CDによる包接化が、α-リポ酸の光・熱・温度に対する安定性を高め、コエンザイムQ10やビタミンE等の抗酸化物質との配合による劣化を抑制することや、味や臭いの改善を見出し、9月初旬にあったサイクロデキストリン学会で発表していた。
新製品はソフトカプセル、顆粒、散剤、飲料、乳製品分野など従来のα-リポ酸製剤では不可能とされてきた、用途への幅広い利用が期待できる。また、新製品の販売は、健康食品素材メーカーの東洋発酵も取り扱う予定である。