株式会社シクロケム
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ニュースリリース

18倍の吸収性ヒト試験で確認

γCD包接CoQ10の有効性発表

シクロケム(中央区日本橋室町 03・3274・2281)は、コエンザイムQ10をγ-サイクロデキストリン(γCD)で包接した「コエンザイムQ10-γCD包接体(γCD包接ナノ化Q10)がCoQ10原末比べ吸収性が18倍高まることをヒト試験で明らかにした。これまでビーグル犬を用いた試験により吸収性が高まることが明らかにしてきたが、ヒト試験で解明されたのは初となる。バックデータに裏付けられた吸収性の高いCoQ10製剤として展開を今後積極的に進めていく。

同社では、受託試験業務を行うイナリサーチ(長野県伊那市)と共同で健常者24名によるCoQ10吸収性試験を行った。試験は、24人を12人ずつの2グループに分け、γCD包接ナノ化Q10とCoQ10セルロース混合物(それぞれCoQ10量として30㎎)を経口投与し、時間ごとに48時問、血中のCoQ10濃度を測定した。その後2週間のインターバルをおいてクロス試験を行なった。試験期間で24名中2名が生理になったため、トータル22人のCoQ10濃度の平均(AUC・・・血中濃度時間曲線面積)を算出した。その結果、AUCについてはセルロース混合物が305mg h/mlであったのに対し、γCD包接体は5623mg h/mlとなっており吸収率の差が18倍(5623÷305=18)であることが明らかになった。また、同試験によりQ10原末の場合、空腹時服用では、ほとんど吸収されないことが示されたという。

試験に用いられたγCD包接ナノ化Q10は、CoQ10を20%含有するCoQ10製剤。γCD2分子で包接させる独自製法によりCoQ10をナノ単位で分子マイクロカプセル化したもの。価格はCoQ10原末の半値程度を設定しており、安定性・吸収性の高さから配合量が少量ですむため値頃感を打ち出している。

同社はこれまで熊本大学等研究機関と共同でビーグル犬を使った試験で同製剤が摂取後に血中濃度が有意に向上すること、また、DPPHといった物質を指標に評価した試験では抗酸化能がCoQ10原末に比べ4.3倍高くなることを明らかにしている。その他、安定性や美肌作用があることを報告。現在、γCD包接ナノ化Q10の生物学的利用率の向上やγCD包接ナノ化Q10と市販水溶性CoQ10の吸収性比較―など数種の研究を行なっており学会誌や展示会場で発表していく方針だ。