CoQ10 γCD包接で高吸収率
シクロケム 美肌作用も人体で確認
シクロケム(本社・兵庫県神戸市、寺尾啓二社長)は、ガンマシクロデキストリン(γCD)で包接したコエンザイムQ10(CoQ10)が、CoQ10の他製剤(セルロース混合物)に比べ、摂取後18倍の血中濃度を示し、顕著な美肌作用があることなどを、人を使った試験で明らかにした。これまで同様の結果は、ビーグル犬を用いたテストで示されているが、同社は健常者男女24人による吸収性試験など実施、効能を裏付けた。また、水溶化Q10に比較し優れた安定性や抗酸化能についても、伴せて実証している。
CoQ10は、もともと細胞すべてに存在し、生体のエネルギー産生に深くかかわる物質。しかし加齢とともに減少、不足すると心筋の働きなどが低下することが知られ、医薬品成分としても使われている。実際には食事で補うことが難しいことから、疲労回復、睡眠改善、体脂肪減少、美肌などの各作用を目的に摂取するサプリメソトが最近、需要を伸ばしている。
シクロケムは、かねてα、β、γの3種類のCDを利用したCoQ10の包接体(包接ナノ化Q10)について開発研究を続け、今年初めには、成分であるオリゴ糖で、環状に8個つらなる構造のγCD包接体のみが抗酸化力を4倍以上に高めることなどを見いだしている。
ただし同知見は、ビーグル犬を使ったテストで得られたものであるため、シクロケムは、健常者24名を対象にしたクロス試験で、改めてこれらの効能を確認した。
専門機関に委託して行なった吸収試験の結果、Q10原末は空腹時にほとんど吸収されず、同原末セルロース混合物に比べても、包接ナノ化Q10は摂取後18倍の血中濃度を示し、極めて高い吸収性を持っていることが確かめられたという。また抗酸化能は包接ナノ化によって4.3倍に、美肌作用では、10人を対象とした4週間の服用試験で、全員にキメの細かさが増すなどの効果が確認されたとしている。
同社では、油脂系乳化剤を用いた水溶化Q10に比べての安定性評価などについても、さらにテストを進めていく。