株式会社シクロケム
日本語|English
ニュースリリース

γCD包接で4.2倍に

CoQ10のラジカル消去活性向上

シクロケム(東京本社・東京都中央区、03・6262・1511)はこのほど、コエンザイムQ10(CoQ10)をγ-サイクロデキストリン(γCD)で包接することで通常のCoQ10と比べ4.2倍高いラジカル消去活性を示すことを見出した。熊本大学薬学部・上釜兼人教授らのグループとの共同研究により明らかとなったもので昨年12月24日には製造法などの特許を出願している。0.03%と配合量が決められている化粧品分野での差別化が図れる素材として注目される。

同社はこれまでγCDの包接作用によって機能性素材の特性を改善する研究を進めていた。昨年9月にはCoQ10をγCDで包接した製剤に安定化作用や体内吸収率が向上することを明らかにしており、今回はDPPHラジカルを指標にして抗酸化活性を評価した。その結果、α-サイクロデキストリンやβ-サイクロデキストリンの包接では通常のCoQ10と大差がなかったが、γCD包接体では通常の4.2倍のラジカル消去活性を示すことを確認したもの。また、γCD単体では、ほとんどラジカル消去活性を示さなかったことから、同社ではCoQ10をγCDで混練し複合する分子マイクロカプセル化技術により抗酸化活性を向上させることができることが示されたと考えている。

同社では、これらの結果を「γCDがCoQ10を分子単位で包接することにより、1分子1分子がラジカルに遭遇する率が高くなるためだろう」と推測しており、0.03%と微量にしか配合ができない化粧品用途で訴求を図る方針でOEMベースでの供給を計画している。また、γCDを用いCoQ10とレチノールを配合したクリーム「Nano RadianceQ&A(ナノラジアンスキューアンドエー)」とした末端商品の発売も2月に予定している。