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最新研究成果
モノクロロトリアジノ化シクロデキストリンの工業的製法と繊維への固着能評価

for English page

背景と試験目的

モノクロロトリアジノ化ーβーシクロデキストリン(以下、MCT-β-CD)は、世界初の工業的規模で供給が可能な反応性CDである。
現在、工業生産されているMCT-β-CDのグルコース当りのモノクロロトリアジノ基(MCT基)の置換度(DS値)は0.4であり、β-CD1分子当り平均2.8個のMCT基を有する。
MCT-β-CDは、アミノ基、水酸基、メルカプト基などの反応基を有する有機材料との求核置換反応によって、共有結合で有機材料にCDを導入できることから、繊維やフィルムをはじめとする様々な分野で注目されている。
MCT-β-CDの製造時に生じる副反応生成物、塩化ナトリウム塩(NaCl塩)の除去工程に経済的な高いコストが掛かることが製品価格に影響し、工業的な用途開発の大きな妨げとなっている。
 
  NaCl塩の除去工程を省いた、約22%のNaCl塩を含有するMCT-β-CD・NaClを開発
MCT-β-CD・NaClの特性を調べるとともに、その安定性、及び反応性を市販MCT-β-CDと比較検討したので、その詳細を報告する。

MCT-β-CD・NaCl とは

モノクロロトリアジノ化-β-シクロデキストリン
Monochlorotriazino beta cyclodextrin)
製品名:CAVASOL W7 MCT

MCT-β-CD・NaClの低コスト One-Pot合成

塩化シアヌルの3つのクロロ部位(Cl)は、温度によって遊離する所が違う。この性質を利用して上のような反応を順に行い、MCT基のClを1つ残したMCT-β-CD・NaClを合成した。
MCT基に残存するClが綿繊維の-OH基と共有結合し、固着する。

乳化剤によって塩化シアヌルを水に分散させ、0-5℃で水酸化ナトリウムを加える<ジクロロトリアジンナトリウム塩(DCT-Na)の生成>
アルカリ条件下で、DCT-Na水溶液に少し温度を加えて5-15℃とし、β-CDを加える<MCT-β-CD・NaClの生成>

市販MCT-β-CDの安全性

試験 システム 結果
急性毒性,経口
(OECD/TG No.401)
ラット LD50 > 2000 mg/kg
初期皮膚刺激性
(OECD/TG No.404)
ラビット 刺激性なし
皮膚過敏性
(OECD/TG No.406)
ギニアピッグ 過敏性なし
エームズ試験
(OECD/TG No.471)
サルモネラ菌 変異原性なし
OECD/TG(OECDガイドライン):化学物質の安全性を評価するために使われる試験方法を国際的に共通なものとして集成したもの
LD50:投与した動物の半数が死亡する容量
ギニアピッグ:毛がないモルモット
エームズ試験:化学物質が細胞のもつDNAに変化をあたえるかを調べる試験

MCT-β-CD・NaClでも、同様の安全性がみられる

MCT-β-CD・NaClの品質と一般特性

MCT-β-CD・NaClの綿繊維への固着法

綿繊維への固着率評価の比較

MCT-β-CD・NaClの製造1年後のpH変化

MCT-β-CD・NaClの高湿下でのpH経時変化

MCT-β-CD・NaClの各pHによる固着率評価

MCT-β-CD・NaClのエチレンジアミンの反応ポリエステル繊維への固着に関する初期検討

考察と課題

MCT-β-CD・NaClを綿繊維へ固着した時、市販MCT-β-CDとほほ同等の固着率を示した(NaCl塩の有無による影響なし)
MCT-β-CD・NaClを「温度・湿度コントロールなし」に保存した時、HClが遊離して分解が促進され、pHが低下することが分かった
  pHの低下は品質の劣化度を示し、pHが低いほど綿繊維への固着率は下がる(pH3.0の時、固着率は0%)
MCT-β-CDは、アミノ基、水酸基、メルカプト基などの反応基を有する有機材料との求核置換反応によって、共有結合で有機材料にCDを導入できることから、繊維やフィルムをはじめとする様々な分野で注目されている。
MCT-β-CD・NaClの貯蔵安定性を高める方法として、添加物の検討が必要
・HCl捕捉剤(トリブチルアミン、エポキシ油脂 etc)
・塩基   (Na2CO3 etc)
・脱水剤  (重曹 etc)
ポリエステル繊維へMCT-β-CD・NaClを固着させる方法として、エチレンジアミンの併用が考えられる
  初期検討として、MCT-β-CD・NaClとエチレンジアミンを反応させたところ高い反応率を示した
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