• HOME
  • 最新研究成果
  • 今、シクロケムが注目していること
  • 自社論文
  • CDの応用分野
  • 世界のCD食品規制
  • CDのホスト・ゲスト対応表
  • 会社概要
  • お問い合わせ
今、シクロケムが注目していること
豚の耳を食べたら肌がきれいになる?

コラーゲン豊富な豚の耳を食べると肌は美しくなるでしょうか?コラーゲンに美肌効果があるという宣伝に惑わされてはいけません。決してそのようなことはありません。

コラーゲン線維は三重らせん構造をしていて、分子量は約30万の巨大分子です。よって、コラーゲンを含む豚の耳を摂取したからといって、コラーゲンは体内に吸収されません。そこで、美肌効果を得るためには体内に吸収しやすい低分子化したコラーゲンペプチドでの摂取が必要となります。

まず、巨大分子のコラーゲンを加熱変性させると三重らせん構造が壊れてゼラチンとなります。このゼラチンは加水分解も部分的に受けているので分子量は数千から数十万と不均一です。そこで、このゼラチンをたんぱく分解酵素によってさらに加水分解しますとアミノ酸が10~50個つながっている分子量が数百から数千のコラーゲンペプチドとなります。

このコラーゲンペプチドの美肌作用に関する報告はたくさんあるのですが、最近、コラーゲンペプチドの摂取が、肌の真皮層のコラーゲン産生に及ぼすだけでなく、肌に保湿効果とうるおいを与えるヒアルロン酸生成にも関与していることが明らかとなってきました。

そこで、ここでは、コラーゲンペプチドの経口摂取が皮膚水分や真皮コラーゲンネットワークに及ぼす影響についてヒト臨床試験で検討したJ. Asserinらの論文(Journal of Cosmetic Dermatology, 14, 291 (2015)を紹介します。

肌は加齢や紫外線、温度や湿度の影響を受け、真皮における皮膚の乾燥やコラーゲンネットワークの断片化は皮膚老化の特徴として挙げられます。栄養素の中には、そのような皮膚の健康に影響を与え、その結果、外観にも良い影響を与える成分があります。

コラーゲンペプチドは栄養化粧品における生物活性成分として使用されており、皮膚バリア機能の改善、コラーゲンおよびヒアルロン酸合成、線維芽細胞の成長促進については動物による試験が既に報告されています。そこで、この論文では、コラーゲンペプチドの経口摂取が皮膚の水分およびコラーゲンネットワークに及ぼす影響を臨床的に調査しています。

コラーゲンペプチドによる連続経口摂取が、皮膚水分やコラーゲン密度、コラーゲン断片化に与える影響を評価するため、2つのプラセボ対照臨床試験を実施しています。

皮膚水分量が低い日本人女性 (40~59歳)60名をスクリーニングし、33名をランダム化して、皮膚水分量の変動が最小限になるよう3群に分けました。3群とは、プラセボ(デキストリン)摂取群、ペプタンF(フィッシュコラーゲンペプチド)摂取群、そして、ペプタンP(豚コラーゲンペプチド)摂取群です。56日間、就寝時に10gのデキストリン、あるいは、コラーゲンペプチド含有の飲料を摂取してもらっています。

皮膚水分レベルはプラセボ群では変化がありませんでしたが、ペプタンFを8週間経口摂取することによって皮膚の水分レベルが12%増加しました。また、ペプタンPでは4週間後に16%、8週間後には28%も皮膚水分レベルが有意に増加しました。このようにコラーゲンペプチドの摂取は皮膚の水分量を上昇させることが分かりました。

図1. コラーゲンペプチド(Peptan)摂取による皮膚の水分量の変化

次に、真皮におけるコラーゲン密度をエコー輝度として高周波数超音波装置を用いて評価したところ、プラセボ群では真皮のエコー輝度は変化しませんでしたが、ペプタン(コラーゲンペプチド)の経口摂取によって、開始4週目の早期おいて、真皮エコー輝度の有意な増加を示しました。この効果は12週間後も持続し、真皮のコラーゲン密度の継時的な増加を示しました。

図2. コラーゲンペプチド摂取による真皮のコラーゲン密度の増加
(※Peptanはコラーゲンペプチドのことです)

また、プラセボまたはペプタンの12週間後における被験者2名の真皮網状層の画像を例として示しています。

画像1. 真皮網状層のコラーゲンネットワークの共焦点画像

ペプタンを摂取した被験者では、ベースラインと比較して12週間後により大きなコラーゲンフラグメントを示し、 ペプタン摂取後のコラーゲン線維は、プラセボと比較して断片化されていませんでした。尚、この断片化とはコラーゲン線維の分解を意味しています。

画像からコラーゲン繊維の断片化を定量分析したところ、プラセボ接種では、コラーゲン断片化は変化なく、ペプタン摂取では、4週間後に17.8%、12週間後に31.2%の断片化を有意に減少させています。つまり、コラーゲン線維の分解が抑えられています。

表1. コラーゲン線維の断片化の定量分析

以上のように、ヒト臨床試験では、ヒトにおけるペプタン(コラーゲンペプチド)の経口摂取によって皮膚水分および真皮コラーゲンネットワークを改善することが分かりました。そこで、ペプタンがどのようにしてこれらの作用を発揮するのかを調べるために、異なるペプタン濃度中でヒト皮膚外植片の一般的な形態観察をし、グリコサミノグリカンおよびコラーゲン含量を分析しました。

49歳白人女性の大腿形成術サンプルから、平均直径10mmのヒト皮膚外植片を調製しています。ヒト皮膚外植片をペプタンF (0.01, 0.1, 1 mg/mL) にて9日間処理し、アルシアンブルー染色によって表皮基底膜のヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などのグリコサミノグリカン(GAG)を視覚化しました。ペプタン処理によって表皮基底膜のGAGレベルが増加し、青色染色として視覚的に確認されました。

図3. 表皮基底膜のグリコサミノグリカン(GAG)染色

それを定量化して図4に示しています。0.01~0.1mg/mLのペプタン濃度範囲でグリコサミノグリカンが用量依存的に増加し、それぞれコントロールと比較して5倍と18倍の有意な増加を示しました。1mg/mLのペプタン濃度では効果が飽和に達し、コントロールと比較して17倍の有意な増加を示しました。

図4. コラーゲンペプチドによるグリコサミノグリカン(GAG)の増加

また、ヒト皮膚外植片をペプタンF (0.01, 0.1, 1 mg/mL) にて9日間処理し、ピクロシリウスレッド染色によって真皮乳頭層のコラーゲンを視覚化しています。グリコサミノグリカン含量と同様に、ペプタン処理によって真皮乳頭層のコラーゲンレベルが増加し、赤色染色として視覚的に確認されました。

図5. 真皮乳頭層のコラーゲン染色

それを定量化して図6に示しています。0.01~0.1mg/mLのペプタン濃度範囲で総コラーゲンが用量依存的に増加し、それぞれコントロールと比較して3%と9%の有意な増加を示しています。1mg/mLのペプタン濃度では再び効果が飽和に達し、コントロールと比較して5.4%の有意な増加を示しました。

図6. コラーゲンペプチドによる総コラーゲンの増加

以上をまとめます。

コラーゲンペプチドは真皮コラーゲンの断片化(分解)を予防・低減し、皮膚水分量を改善することが判明しました。この論文はコラーゲン断片化に対するコラーゲンペプチドの効果を示した最初の臨床研究といえます。そして、これら生理学的皮膚パラメータの改善は、おそらく各々の皮膚層におけるコラーゲンやヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などのグリコサミノグリカン合成の増加と関連していると考えられます。このようにコラーゲンペプチドによる経口摂取によって皮膚構造や健康状態を改善することが実証されています。

結論です。美肌を手に入れるには、豚の耳を食べるのではなく、コラーゲンペプチドの入った健康機能食品を食べましょう!

相談コーナー

ご質問やご相談がございましたら、以下のジャンルからお問い合わせをお願いいたします。

  • CD、CD包接体はこちら
  • 受託製造についてはこちら
  • 出張セミナーについてはこちら