研究成果
第42回 α-シクロデキストリンのスクロースによる血糖値上昇抑制効果
ヒトで確認されているα-CDの機能性
- 抗アレルギー効果
アトピー性皮膚炎, スギ花粉症, ぜんそく - 抗メタボリックシンドローム
中性脂肪, コレステロール低減効果
血糖値上昇抑制効果 - 整腸作用
α-CDによる血糖値上昇抑制作用
α-CD入り米飯摂取後の血糖値の推移
米(炭水化物量:50g)に対してα-CDをそれぞれ0g, 2g, 5g, 10g含む米飯を摂取後の血糖値を測定した。
(健常なボランティア10名)
Jonathan D. Buckley, Alicia A. Thorp, Karen J. Murphy, Peter R.C. Howe, Ann. Nutr. Metab., 2006, 50, 108-114.
→ α-CDによるアミラーゼの阻害が示唆された。
糖質の消化、吸収
本研究:アミラーゼ以外の糖分解酵素に対するaCDの効果について検討する。
スクロース負荷試験(マウス)
試験方法
- 12時間絶食させたddyマウスにα-CDを水に溶かしてそれぞれ経口投与した。コントロール群には生理食塩水を投与した。
- 20分後、スクロース(2g/kg体重)を水に溶かしてすべての群に経口投与した。
- スクロース投与後、0分、15分、30分、45分、90分後にマウス尾部から採血し、ダイアセンサー((株)アークレイ)を用いて血糖値を測定した。
→ α-CDによるスクロース消化酵素の活性阻害が示唆された。
→ α-CDはグルコースの吸収を阻害していない。
まとめ
- α-CD投与によって、スクロース摂取後の血糖値上昇が抑制された。
- α-CDがスクロース消化酵素の活性を阻害していることが示唆された。