研究成果
第80回 各種アロマオイルCD水溶液によるマイナスイオンの安定化に関する検討
背景
当社ではシクロデキストリン(CD)の包接機能を利用して、機能性成分の水溶性、安定性、バイオアベイラビリティなどを向上させる技術を有しております。それらの成果は化粧品、食品等の様々な分野で広く利用されています。CDは、香り成分を安定化及び徐放させる機能を持っていることが知られており、当社の検討からも、CDによってアロマオイルであるTea Tree Oilの含有成分であるモノテルペン類を安定化することが示されました(※詳しくは、当社ホームページの最新研究成果「第17回」を参照して下さい)。
テルペン類は、マイナスイオンの発生に関与し、森林浴のようなリラクゼーション効果や生活空間の消臭などの作用があるといわれています。
そこで本検討では、CDで安定化させたテルペン類を含む各種アロマオイルCD水溶液を用いてマイナスイオン発生量への効果を検討しました。
実験
戸窓を閉めた8畳の和室にて、マイナスイオン発生機能付き空気洗浄機に水道水または、各種アロマオイルを含有するCD水溶液(以下、アロマ水)を補充し、マイナスイオン測定器を用いて下記の条件でマイナスイオンを測定した。
試料
コントロール:水道水
アロマ水:10mlの水に1gのメチル化シクロデキストリンを溶かし50mgのアロマを加え可溶化した水溶液
測定条件
場所:和室8畳(戸窓は閉じている)
部屋の広さ:2.2m x 3.5m x 4.4m = 33.88m3
室温:10-15℃
湿度:30-65%
結果
- アニス油、ユーカリ油、タイム油、ティーツリー油、ラベンダー油CD水は、水道水と比べてマイナスイオン量が増加した。
- 特にティーツリー油とラベンダー油CD水を用いた場合、マイナスイオン量は著しく増加した。
まとめ
- 本検討よりマイナスイオン発生機能付空気洗浄機で使用する水を、CDで安定化させたテルペン類を含むアロマ水に置き換えることで、マイナスイオンの発生量が増加することが分かった。
- 空気洗浄機の新しいアプリケーションとして、アロマオイルCD水溶液を使ったより快適な空間づくりを提案致します。