新食物繊維α-シクロデキストリンの力 ― GI低減作用…蜂蜜の王様マヌカハニーのGI値が緑黄色野菜や海藻レベルまで下がる!|株式会社シクロケムバイオ
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2014.3.18 掲載

新食物繊維α-シクロデキストリンの力 ― GI低減作用…蜂蜜の王様マヌカハニーのGI値が緑黄色野菜や海藻レベルまで下がる!

『GI値』とは、血糖値の上がり易さを示す指標で、糖尿病発症の前段階にある『インスリン抵抗性』を予防するための指標になります。つまり、『GI値』が高い食品ほど、血糖値を上げやすい食品であることになります。そして、GI値55以下の食品を『低GI食品』、56~69の食品を『中GI食品』、70以上の食品を『高GI食品』と分類されています。ちなみに、白米はGI値72の高GI食品です。糖尿病の予防にはなるべく低いGI値の食品を選ぶのがいいのです。(図1)

GI値 食品
100 ブドウ糖
90-99 フランスパン
80-89 コーンフレーク、ハチミツ
70-79 フレンチフライ、ポップコーン、白米
60-69 砂糖(ショ糖)、サツマイモ、大麦パン
50-59 キウイ、バナナ、そば、うどん、マヌカハニー
40-49 ブドウ、桃、イチゴ、人参
30-39 リンゴ、西洋ナシ、ヨーグルト
20-29 グレープフルーツ、サクランボ、牛乳
10-19 緑黄色野菜、海藻、果糖、大豆、きのこ
図1. 各食品のグリセミック・インデックス(GI値)

食品のGI値を低減する作用のある新食物繊維であるα-シクロデキストリン(α-CD)が注目されており、既にα-CDによる食パン(白パン)のGI低減作用については知られております。(コラム参照

では、この効果はハチミツでもみられるのか…

ハチミツの場合には、蜜源植物の種類によってGI値が異なります。一般のハチミツのGI値は80を超えて『高GI食品』なのですが、マヌカハニーのGI値は最近詳しく調べられており、産地によって異なりますが、果糖の割合が多いため、48~67の『低-中GI食品』であることが確かめられているのです。(図2)

図2. 健常者10名に対して採取場所の異なる5種類のマヌカハニー及び、ブドウ糖を摂取させた際の食後血糖値上昇の比較
図2. 健常者10名に対して採取場所の異なる5種類のマヌカハニー及び、
ブドウ糖を摂取させた際の食後血糖値上昇の比較

その『低-中GI食品』であるマヌカハニーのGI値がα-CDによって、さらに低い緑黄色野菜や海藻レベルまで下がることが分かったのです。2011年12月にニュージーランドのOtago大学が発表した検討結果をここに紹介します。

この検討は、ボランティア10名(男性6名と女性4名)によって行われました。ボランティアの平均年齢は28.7歳(25歳から34歳まで)でBMIは22.8kg/m2でした。そして、ボランティアのすべての方は健康体で、何れの方も糖尿病や他の病気は患っておりません。

GI値とは、グルコースを摂取した際の血中グルコース増加量を100とし、炭水化物を含む各種食品を炭水化物として同等量摂取した際の血中グルコース増加量をいいます。そこで、この検討ではリファレンスとしてグルコース25gを含有する炭酸ガス入り飲料水275mlを用いています。マヌカハニー(MGO400+)は100g中には77.8gの炭水化物を含みますので、マヌカハニーは32.1g(25g×100÷77.8)を摂取し(グルコース25gと同等量の炭水化物)、そして、マヌカハニー(MGO400+)とα-CDから得られた粉末(Cyclopower)は45.9g(マヌカハニーに含まれる炭水化物25g相当量)を摂取して、摂取後、15分おきに血中のグルコース増加量変化を分析しました。(図3)

図3. 健常者10名に対して、マヌカハニー(MGO400+)、マヌカハニーのα-CD粉末及び、グルコースを摂取させた際の食後血糖値変化の比較
図3. 健常者10名に対して、マヌカハニー(MGO400+)、マヌカハニーのα-CD粉末及び、
グルコースを摂取させた際の食後血糖値変化の比較

その結果、使用したマヌカハニー(MGO400+)のGI値は65±7であり、『中GI食品』のカテゴリーでしたが、マヌカハニーのα-CD粉末のGI値は・・・驚くべきことになんと18±4であり、緑黄色野菜や海藻と同じカテゴリーの『極低GI食品』であることが分かりました。

これからは、マヌカハニーそのものに比べれば甘味は少し落ちますが、健康のためにも甘味料としてマヌカハニーのα-CD粉末を用いるのがいいかもしれませんね。

コラム:α-CDによる白パンの血糖値の上昇抑制効果(GI低減作用)

12人の健常男性にそれぞれ100gの白いパン(炭水化物50gに相当)を摂取してもらい、摂取後3時間の血糖値を測定した。同様の試験方法で、別の日に、同量のパンに10gのα-CDを添加したものを摂取してもらい、血糖値の測定を行った。さらに別の日に、25gのα-CDを単独で摂取してもらい、血糖値の測定を行った。尚、それぞれのウォッシュアウト期間については48時間以上を設定した。それぞれの血糖値を比較したところ、白パンにα-CDを添加した検討で、有意にピークの高さが低くなり、ピークに達する時間も遅くなった。一方、α-CDのみの摂取では血糖値に影響はなかった。(図4)

図4. 健常者12名に対して、白パンのみ、白パンとα-CD、及び、α-CDのみを摂取させた際の食後血糖値変化の比較
図4. 健常者12名に対して、白パンのみ、白パンとα-CD、
及び、α-CDのみを摂取させた際の食後血糖値変化の比較