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CoQ10が白血球に与える影響について

白血球は血液中の免疫細胞として病原菌や異物から身体を守る防御作用を持っています。そして、ヒトケミカルのCoQ10は酸化ストレスによる白血球の細胞死を抑える物質であり、CoQ10の摂取量に依存して白血球内のCoQ10量も有意に増加することが最近の研究で判明しています。つまり、言い換えれば、病原菌やウイルスから身体を守るためにはCoQ10の摂取が有効であることが明らかとなっています。

白血球には好中球、リンパ球、単球などがありますが、リンパ球は全体の20~55%を占めています。そのリンパ球にはTリンパ球、Bリンパ球、NK細胞があり、それぞれの細胞は、ウイルス感染細胞を破壊したり、抗体を生産したり、ガン細胞を攻撃したり、と別々の役割を担っています。

NK細胞はガン細胞を攻撃する役割を持っておりますが、ここでは、CoQ10や“笑い”がそのNK細胞の活性化を促し、ガンの予防に有効であることについて既に紹介しています。

そこで、今回はまず、細胞の試験として、酸化ストレスを受けたTリンパ球とBリンパ球のアポトーシス(細胞死)に対するCoQ10の影響を検討したカリフォルニア大学の研究グループの2016年の論文を紹介します。

Reversal of oxidative stress-induced apoptosis in T and B lymphocytes by Coenzyme Q10 (CoQ10によるTリンパ球・Bリンパ球の酸化ストレス誘発アポトーシスの回復)
S. Gollapudi, S. Gupta, Am. J. Clin. Exp. Immunol 2016;5(2):41-47.

CoQ10はエネルギー産生作用や抗酸化作用があり、様々な種類の細胞を酸化ストレスによるアポトーシス(細胞死)から保護することが知られています。しかしながら、リンパ球の酸化ストレスによって誘発されるアポトーシスに対する抑制効果は詳細に検討されていません。そこで、リンパ球にロテインという殺虫剤や過酸化水素を曝露してアポトーシスを誘発してCoQ10の保護効果を検証しています。

ロテインはミトコンドリアのエネルギー産生を阻害することで殺虫剤としての効果を発揮するのですが、リンパ球にCoQ10(10μM濃度)で24時間前処理し、ロテイン(N=16)を添加したところ、ロテインで誘発するアポトーシスはCoQ10で有意に抑えられることが判りました。つまり、CoQ10のエネルギー産生作用が効果を示したようです。(図1)

図1. ロテインで誘発されたアポトーシス(細胞死)のCoQ10による抑制

次に、過酸化水素を用いた酸化ストレスによって誘発されるアポトーシスの抑制効果も検証しています。リンパ球をCoQ10(10μM濃度)で24時間前処理し、過酸化水素(N=12)を添加したところ、アポトーシスは有意に抑制されることが判りました。(図2)

図2. 過酸化水素で誘発されたアポトーシス(細胞死)のCoQ10による抑制

このようにCoQ10はミトコンドリア機能障害を改善することでリンパ球の酸化ストレスによって誘発されるアポトーシス(細胞死)を抑制できることが判りました。

次に、ヒト試験において、CoQ10を摂取し、血漿および血液細胞 (血球) へのCoQ10の取り込みを評価したドイツのドレスデン工科大学の論文を紹介します。

Enrichment of coenzyme Q10 in plasma and blood cells: defense against oxidative damage.(血漿、および、血液細胞におけるCoQ10量の増加: 酸化的損傷に対する防御)
Petra Niklowitz, et al., Int J Biol Sci, 2007, 3(4):257-262.

被験者 (男性3名+女性7名=10名) にSanomit Q10 (3mg/kg/day) を14日間 経口摂取してもらっています。(SanomitQ10は吸収性を高めるために乳化剤を使用した製剤です。)そして、摂取前 (0日目)、摂取14日目における、血漿、血小板および白血球のCoQ10 量を評価したところ、何れも有意(*p<0.05)にCoQ10量は増加しており、血漿、及び、血液細胞中へのCoQ10が取り込まれることが判りました。(図3)

図3. CoQ10摂取14日後の血漿、血小板、白血球中CoQ10量の増加

上記の2報の論文から、CoQ10を経口摂取すると血液細胞(血小板や白血球)に取り込まれ、それらの細胞のアポトーシスを抑制し、ミトコンドリア活性を高めることがわかりました。そして、CoQ10による抗酸化作用や免疫力増強作用によって、身体の抵抗力を高め生活習慣病や様々な病気を予防できると考えられます。

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