マヌカハニーのαオリゴ糖パウダーは腸内で病原細菌を殺す
当社研究グループによってマヌカハニーとαオリゴ糖による相乗的な抗菌活性の向上が確認され、学会発表されたのは2009年のことでした。このマヌカハニーをαオリゴ糖で粉末化したマヌカαオリゴパウダーはニュージーランドの大学や国立の研究機関との共同研究によって、この『マヌカαオリゴパウダー』の腸内細菌(善玉菌や悪玉菌)や外部から侵入する病原細菌に対する影響を詳しく調べ、『マヌカαオリゴパウダー』が病原細菌やウイルスに対する感染予防や健康増進効果のあるすばらしい機能性素材であることを突き止めています。
2017年1月、その研究の一環としてニュージーランドの植物食品研究所とOtago大学の共同研究グループから更なる興味深い論文が発表されました。(Parkarら、Journal of Functional Foods 31 (2017) 266–273)そこで、この論文から新たに見出された『マヌカαオリゴパウダー』の機能性について紹介します。
マヌカハニー(MH)、α-CD(C)および、マヌカハニーαオリゴパウダー(MH+C)を人工胃腸消化液にて処理した後、ヒト糞便細菌叢を用いて発酵させています。
16時間の発酵後、水のみを与えた場合と比較して、MH、C、MH+Cの何れの場合でも発酵液は酸性度が強くなりましたが、MH+Cの場合に最も酸性度は強くなっていて、水のみと比較して有意(P = 0.05)にpHは低下しています。(図1)
そして、発酵後の各種有機酸代謝産物の濃度を確認したところ、pHの低下は乳酸の生成が関与しており、MH+Cの場合に特に乳酸の発生量が有意(P = 0.05)に高まっていることが確認されています。(図2)
また、16時間発酵処理したサンプルを、各細菌を培養した培地に添加し、培養しています。そして、培養後、比色定量法により生存率を求めています。発酵液に病原細菌であるサルモネラ菌(Salmonella enterica Typhimurium)の場合、その増殖は有意(P = 0.05)に阻害され、乳酸菌(Lactobacillus reuteri)の場合は増殖することが確認されました。つまり、マヌカハニーαオリゴパウダーによってヒト糞便細菌叢は善玉菌支配になるだけではなく、病原細菌の増殖を抑制する効果を有していることが判明しています。(図3)
ビフィズス菌と乳酸菌は、腸内の乳酸や酢酸の生産者であり、これら酸代謝物と、それに伴うpH低下が腸内のサルモネラ菌の生存とコロニー形成能を低下させる鍵となっています。
マヌカハニーαオリゴパウダーによって発生した多量の乳酸がサルモネラ菌の生存率を下げたと推測されています。
マヌカハニー、αオリゴ糖、そして、マヌカハニーαオリゴパウダーは何れも健全な腸内フローラを形成するすばらしい素材であることがこの論文から明らかとなっているのです。