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今、シクロケムが注目していること
テニスで長生きできる

2017年5月にオーストラリアと英国の研究グループによるスポーツに関する大変興味深い研究報告がありました。

Associations of specific types of sports and exercise with all-cause and cardiovascular-disease mortality: a cohort study of 80,306 British adults.
Ojaら、Br. J. Sports Med.2017 May; 51(10):812-817.

スポーツという身体活動によって心血管の働きが良くなることは広く知られており、中高年、高齢者でスポーツをする人は死亡率が低いことはコホート研究で明らかとなっていました。しかしながら、どのようなスポーツに効果があるかについては不明瞭でした。そこで、死亡率低減のために有効なスポーツについて調査されました。

まず、スポーツをグループ別に分けました。具体的には、サイクリング、水泳、エアロビクス(エアロビクス、体操、ダンス)、ランニング(ランニング、ジョギング)、フットボール(フットボール/ラグビー)、ラケットスポーツ(テニス、バドミントン、スカッシュ)のグループに分けました。

そして、それぞれのグループと死亡率の関連性をイングランド人とスコットランド人の総勢80,306人のコホート研究として1994年から2008年に渡って調べられています。

この調査は世帯ベースの一般住民調査であり、面接者がサンプリングされた世帯を訪問し、調査アンケートの実施、身長と体重の測定を行っています。調査対象者の年齢は30歳から98歳まででした。

その結果、テニスなどのラケットスポーツをする人がまったく運動しない人と比較して、すべての死因における死亡率が47%減少し、死亡リスクの最も低いことが判明しました。

図1. 運動しない人と比較した各種スポーツをする人の死亡率

では、テニスをするとなぜ長生きにつながるのでしょうか?

その一つ目の理由として……、テニスは1対1もしくは2対2で絶え間なく打ち合うスポーツです。常に相手やボールの動きなど状況判断するため、瞬時に対応方法を考えることにより脳が鍛えられるためです。

2002年、カナダのトロント大学が行った調査では、ベテランテニスプレイヤーの試合前と試合後の脳の動きを測定したところ、テニスを行った後の脳はストレスに対応する部分の動きがアップしていることがわかりました。脳がストレスに強くなると病気をしにくくなり、長寿につながっていると考えられます。

二つ目の理由としては……、テニスは無酸素運動と有酸素運動の両方を交互に行います。その結果、全身の機能がバランスよく鍛えられるためです。

無酸素運動は瞬発的な動きにより筋力を強化するもので、ボールを打つ瞬間やボールを追いダッシュする瞬間などが無酸素運動です。一方、有酸素運動は心肺機能を強化するもので、相手の返球を待っている間に有酸素運動しています。テニスは高齢者に減りがちな無酸素運動を無理なく取り入れることができるスポーツだそうです。

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