ヒトケミカルを使用した本当のシワ改善効果のある美容液
今回は、そのシワ改善効果のある3成分であるレチノール、コエンザイムQ10、R-αリポ酸の効果をさらに引き出すためのγ-シクロデキストリン(γ-CD)を用いたナノテクノロジーについて説明します。そして、その3成分を配合したトリプルエッセンスという美容液のシワ改善の評価結果を紹介します。
まず、レチノールです。レチノールのシワ改善効果は良く知られています。資生堂のシワ改善用の美容液『リンクルリフト』にはレチノールが配合されています。
しかしながら、レチノールは非常に不安定な物質であり、ほとんどのレチノール美容液は開封して空気に触れるようになるとレチノールの活性は短期間に消失していきます。ところが、レチノールをγ-CDで包接すると飛躍的に安定性は改善することが確かめられています。トリプルエッセンスにはこの安定性を高めたレチノールが配合されています。
二つ目の成分はコエンザイムQ10です。コエンザイムQ10にコラーゲン産生によるシワ改善作用のあることはドイツの化粧品大手であるバイヤスドルフ社によって見出されました。しかしながら、美容液に配合しても皮膚吸収性の低いことが問題であり、バイヤスドルフ社の検討によると通常の美容液への配合処方では0.3%配合しなければシワ改善効果は確認できないことが分かっています。にもかかわらず、日本では化粧品の場合、0.03%しか配合できないためシワ改善効果を示す美容液を開発することは容易ではありません。そこで、DHC社では化粧品ではなく医薬部外品(薬用)として0.3%を配合したコエンザイムQ10ローションを製品化しています。
ここで、γ-CDのナノテクノロジーを用いると0.03%のコエンザイムQ10を配合した美容液の方が0.3%のコエンザイムQ10を配合したローションよりもはるかに肌への吸収性が向上することを発見しました。トリプルエッセンスにはこの吸収性を高めたコエンザイムQ10が配合されています。
三つ目の成分はR-αリポ酸です。R-αリポ酸はミトコンドリアにおいてブドウ糖代謝によるエネルギー産生作用を有することから線維芽細胞を増殖し、コラーゲン産生を促進することでシワ改善作用のあることが知られています。
しかしながら、市販のαリポ酸美容液は天然体のR体と非天然体のS体を50%ずつ含むラセミ体というαリポ酸が配合されています。よって、シワ改善効果を示すR体はわずか50%しか含まれていません。しかも、S体はアルブミンなどのタンパク質と反応し血液中で不溶性の凝集体を形成するなど、生体内にさまざまな悪影響を与えることも知られています。
そこで、トリプルエッセンスは日本で唯一、非天然で危険なS体を含まずに100%純粋な天然型のR-αリポ酸を配合した美容液です。尚、αリポ酸は美容液中に0.05%までの配合を許可されていますので、ラセミ体の場合、活性成分であるR-αリポ酸は0.025%しか配合されていませんが、トリプルエッセンスはR-αリポ酸を上限の0.05%配合できています。
そのトリプルエッセンスを用いた肌試験が2017年11月15日から12月13日まで健常成人女性23名(年齢35歳~54歳、平均年齢45.0歳)で行われました。試験実施者は日本産業皮膚衛生協会であり、実施施設 は㈱河合産業皮膚医学研究所です。トリプルエッセンスの使用量は1日2回、朝と夜に(右か左の指定された)顔半分に対して 2 プッシュ 試験方法を用いています。これは「新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」に準じた方法です。
ところで、皮脂の分泌量が減少すると、コラーゲンは劣化し、肌の柔軟性は減少し、その結果、シワやたるみが発生することが分かっています。
夏は気温が高いため、血行が良くなります。その結果、新陳代謝が活発化し、皮脂の分泌量が増えるのですが、冬は寒さで体が冷え、血行が悪くなり、代謝が落ち、皮脂の分泌量も減少します。そこで、図7や図8に示すように、冬の美容液の効果を検証するための肌試験は大変不利なことが分かっています。しかし、このトリプルエッセンスの検討は、その冬の悪条件にあえて挑戦しています。
その結果、美容液を 4 週間連用することによる保湿効果によって乾燥によるシワの改善効果が認められました。
23名の中で3名の例を紹介します。例1と例2の女性の場合、美容液を塗った側はシワが減少し、塗っていない側は冬の悪条件のためにシワが増えていることが分かります。
また、例3の女性の場合、美容液を塗った側に変化はみられていませんが、塗っていない側は冬の悪条件で明らかにシワが増えています。
この記事を読まれた方々はまだトリプルエッセンス以外のシワ改善美容液を使用するのでしょうか?