大麦若葉の効能(1) 抗酸化作用|株式会社シクロケムバイオ
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2019.1.15 掲載

大麦若葉の効能(1) 抗酸化作用

朝の一杯目は『マヌカハニー青汁』に砂糖と牛乳を入れた青汁ミルクにしてみませんか?ホットでもコールドでも抹茶ミルクのように美味しくいただけます。そして、健康的です!

このシリーズは、『大麦若葉の効能』とのタイトルで、『マヌカハニー青汁』の青汁原料である大麦若葉の効能を紹介していきます。

大麦(Hordeum vulgare)はイネ科の穀物です。中央アジア原産で、世界でもっとも古くから栽培されていた作物の一つです。そして、大麦若葉とは、まだ穂をつける前、生育して草丈が20cmくらいになった頃の葉の部分を指します。

大麦の葉は旬の2月頃が最も栄養価が高く、60cmほどに育った葉と比べると、タンパク質やカルシウムの含有量はおよそ1.6倍、カリウムは1.35倍多くなるといわれています。また、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、さまざまな栄養素がバランスよく含まれることも、注目される理由のひとつです。

まず、ここでは大麦若葉青汁粉末の生理機能物質として鍵となる抗酸化物質の構造を明らかとし、その抗酸化能を調べた萩原らの論文を紹介します。

日本食品化学工学会誌Vol. 48, No.10, 712~725 (2001) 〔総説〕

植物は抗酸化物質、抗変異原性物質、抗ガン性物質などの生物学的活性物質の宝庫として注目されています。その一方で、食品の保存に用いられたブチルヒドロキシアニソール(BHA)やジブチルヒドロキシトルエン(BHT)のような有機合成で作られた抗酸化剤は、近年、その毒性など健康上の問題で制限され始め、植物由来の抗酸化物質の重要性が増してきています。

そのような中、萩原らは、大麦若葉青汁粉末が下記の生理活性機能を有することをすでに見出しています。

そして、これらの作用は大麦若葉が持つ抗酸化作用に関連していることが明らかとなっています。そこで、大麦若葉に含有されている抗酸化物質を探索し、鍵となる数種のフラボノイド類を単離しています。その中でも、2"-O-グリコシルイソビテキシン(GIV)に特に顕著な抗酸化作用のあることが判明しました。

図1. 大麦若葉抗酸化物質2-O-グリコシルイソビテキシン(GIV)の構造式
図1. 大麦若葉抗酸化物質2"-O-グリコシルイソビテキシン(GIV)の構造式

コレステロールの原料となるスクアレンは多くの動物に分布していますが、脂質酸化によってさまざまな炎症性疾患の原因となっているマロンアルデヒドが生成することが知られています。

そこで、スクアレンに紫外線を照射して酸化によってマロンアルデヒドが生成する際に、ビタミンEのα-トコフェロール、合成抗酸化剤のBHT、そして、大麦若葉に含まれる抗酸化物質のGIVをそれぞれ添加してマロンアルデヒド生成阻害効果を比較しています。

その結果、GIVはわずか2μmolでマロンアルデヒド生成を100%抑制できることが示されましたが、BHTの場合は12μmol加えても70%しか抑制できないことが分かりました。ちなみに、α-トコフェロールは殆ど効果を示していません。

図2. 各種抗酸化物質のマロンアルデヒド生成抑制作用
図2. 各種抗酸化物質のマロンアルデヒド生成抑制作用

このように大麦若葉には合成抗菌剤BHTと比較しても高い効果を有する抗酸化物質GIVが含まれているため、上記、抗炎症作用、抗潰瘍作用、抗コレステロール血症作用など、多くの効果を発揮できることが示唆されます。