米ぬか成分ポリコサノールの効能|株式会社シクロケムバイオ
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米ぬか成分ポリコサノールの効能

私たちは玄米を精米して米ぬか成分を除いた白米を食べているのですが、その米ぬか成分に健康増進効果のあることはよく知られています。そこで、米ぬかからセラミド、γ-オリザノール、フェルラ酸、トコトリエノール、そして、残りのこめ油などが精製されて機能性栄養素として利用されています。

ここで、玄米の構造を確認していただくと分かるように白米と分離した米ぬかはロウ層とヌカ層を合わせたものです。通常、ロウ層のワックス成分は脱ロウ工程で取り除かれてヌカ層から上記の機能性栄養素を取り出しています。

図1. 玄米の構造と各層の成分
図1. 玄米の構造と各層の成分

しかしながら、このロウ層にも実は素晴らしい効能を持つ成分が含まれているのです。それはポリコサノールです。ポリコサノールは炭素数が20以上の高級脂肪族アルコールなのですが、このポリコサノールには脂質代謝の亢進や運動能力の向上、ストレス耐性の向上などの効果を示すことが知られています。その効能の中でも特筆すべきは小型LDLコレステロールの低減作用です。

日本人の主食であるお米にこだわり、米ぬかから抽出したポリコサノールを『コメコサノール』™という商品名で開発した日本油脂は今から20年近く前にこの小型LDL低減作用に注目して研究を行っていたのでした。

成人男性(43.8±8.4歳)20名に対して1日にポリコサノール20mgを4週間摂取してもらい、摂取前と摂取後の小型LDLコレステロールの変化を評価したとこと、顕著に減少することを確認しています。

図2. ポリコサノール摂取による血中小型LDLコレステロールの変化
図2. ポリコサノール摂取による血中小型LDLコレステロールの変化

また、ポリコサノールは肝機能の改善にも有効でお酒(アルコール)を飲んだ際に発生する二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドの低減作用も確かめられています。そもそも、摂取したアルコールは、まず、アルコール脱水素酵素でアセトアルデヒドに変換され、次に、アセトアルデヒド脱水素酵素で酢酸に変換されてエネルギー源として使われた後、最終的に、二酸化炭素と水に分解されます。お酒の弱い人の場合、アルコール脱水素酵素は働くのですがアセトアルデヒド脱水素酵素が働き辛く、アルデヒドが体内の長時間滞留しやすいのです。

そこで、健常人8人にポリコサノールを含有する米ぬか抽出物を毎日40mg/日、6週間摂取してもらいました。そして、摂取する前と6週間摂取後に、アルコールを体重60kgに対して25度の焼酎を100ml飲んでもらい、飲酒後0分、90分、そして、180分後の血中のアセトアルデヒド濃度の変化を調べています。その結果、ポリコサノールを6週間摂取した後であれば飲酒しても90分後には8人中5人が検出限界以下であり、180分後には全員が検出限界以下になっており、ポリコサノールの肝機能をサポートするための素晴らしい効果が明らかとなっています。

図3. ポリコサノール摂取による肝機能の改善効果
図3. ポリコサノール摂取による肝機能の改善効果

しかし、ポリコサノールはその化学構造から融点が高く、水に溶けにくいために生体への吸収率が低いことが問題です。このため十分な効果を得るためにはたくさんな量を摂取する必要がありコストが高くなるだけでなく、味にも影響を与えますので経口的に摂取しにくい問題もあります。そこで、ポリコサノールの1つであるオクタコサノールの吸収性改善の目的でγオリゴ糖の利用が検討されています。その検討方法としては、試験液を37KBq/0.2ml/マウスになるように調製し、胃ゾンデを用いてマウスに経口投与(1群3匹)しています。投与24時間後にエーテル麻酔下、心臓採血後、溶解剤で可溶化し、液体シンチレーションカウンターで放射能を測定しています。

その結果、リポソーム製剤(コートソームEL-A-01、日本油脂製)、食用乳化剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、油脂(コーンオイル、dl-α-トコフェロール)と比較して、γオリゴ糖を用いた場合に吸収率は最も高くのあることが確認されています。

図4. γオリゴ糖によるオクタコサノールの生物学的利用能の改善
図4. γオリゴ糖によるオクタコサノールの生物学的利用能の改善

真の悪玉コレステロールである小型LDLコレステロールを低減させて心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げるため、そして、お酒を飲む方の肝機能サポートにはポリコサノールのγオリゴ糖を摂取することがお薦めです。