今、注目していること
2021.04.28 掲載
骨折しやすい人はビタミンK2補給できる納豆を食べる必要あり
ビタミンK2(VK2)はカルシウムが腸管から吸収された後、骨に運ばれる際に重要な働きをすること、さらには、VK2がコラーゲンペプチドからのコラーゲン生成をサポートすることの双方に有効であることが明らかとなり、特に、更年期女性や高齢者の骨粗鬆症予防のため、一躍、注目を集めています。
高齢者で骨粗鬆症による骨折患者の血清ビタミンK濃度の影響を調べたところ、同じ年代の一般の高齢者に比べてビタミンK1には差がなかったのですが、骨折患者のVK2濃度は極端に低く、特に、納豆由来のVK2であるメナキノン-7(MK-7)は1/4~1/5と著しく大きな差のあることが明らかとなっています。(金本ら、日本老年医学会雑誌、32、195(1995))
大豆にはVK2のMK-7はほとんど含まれていませんが、納豆菌で発酵させた納豆には多く含まれていますので、納豆を食べることが骨粗鬆症の予防に有効であると考えられます。実際に納豆を食べる習慣のある東日本と食べる習慣のない西日本の大腿骨頸部骨折の発生頻度を比較されていて、納豆の消費量と骨折率に負の相関のあることが分かっています。つまり、納豆を食べている人は骨折しにくいことが分かります。(細井孝之、Osteogenesis Japan, Vol 4, No.2 (1996))
MK-7は納豆以外の食品にはほとんど含まれませんので、骨粗鬆症予防のためには積極的に納豆を摂りましょう。また、西日本の方で納豆を食べる習慣がなく、食べられない方はMK-7を含有するサプリメントの摂取もおすすめです。ただ、サプリメントの場合はMK-7が光に対して不安定ですので、シクロデキストリン(環状オリゴ糖)で包接安定化した製剤を選ぶようにしましょう。