美容・健康維持のためのプロテインサプリメントの摂取は朝がおすすめの理由|株式会社シクロケムバイオ
株式会社シクロケムバイオ
日本語|English
研究情報
今、注目していること
2021.05.28 掲載

美容・健康維持のためのプロテインサプリメントの摂取は朝がおすすめの理由

フレイルで寝たきり高齢者にならないため、また、基礎代謝を高めて太りにくく美しい体をつくるためには、筋肉を維持して健康な生活を送る必要があり、プロテインサプリメントの摂取は有効な手段です。その目的のためのタンパク摂取推奨量は体重当たり1g/日以上とされています。たとえば、体重が60kgの人であればタンパク質を1日合計で60g摂取するのが目安となります。

一般的には、余程、無理なダイエットをしていない限り、一般的な日本人のタンパク質消費量はこの推奨量に達していますので問題ないと思われがちです。しかしながら、1日のタンパク質の合計摂取量は満たしていても、実際には、朝はパンやシリアルなどの炭水化物だけのように朝食ではタンパク質を摂っておらず、夕食で偏って1日の推奨量の半分以上を摂っている人もたくさん見かけます。この偏りが、健康、美容、スポーツパフォーマンス向上といった目的のためには大きな障害となっています。タンパク質を朝昼夕に均等に摂取して推奨量を満たす必要があります。偏った食事をしていると体内で筋肉が合成されにくく筋肉を維持できない可能性のあることを明らかとした論文があります。

Dietary Protein Distribution Positively Influences 24-h Muscle Protein Synthesis in Healthy Adults
M. M. Mamerow et al., The Journal of Nutrition 144, 867 - 880 (2014)

この論文では(図1)に示すように1日のタンパク質摂取量は90gに統一した上で「偏り摂取:朝食と昼食は20g以下で夕食は60g以上」群と「均等摂取:朝昼夕に平均的に30g」群に分けて、それぞれの群の筋肉合成量を検討しています。

図1. 「偏り摂取」と「均等摂取」のタンパク質摂取量
図1. 「偏り摂取」と「均等摂取」のタンパク質摂取量

では、その試験デザインです。健常な成人男性と女性の8名(平均年齢36.9歳、BMI:25.7kg/m2)を対象とし、偏り摂取群(4名)と均等摂取群(4名)に分け、それぞれ、朝昼夕に(図1)に示すタンパク質量を含む食事を7日間摂取してもらい、30日間のウオッシュアウト期間を経てクロスオーバーして、さらに、7日間の食事をしてもらいました。

それぞれの食事をした1日目と7日目に24時間の骨格筋タンパク質合成率を調べたところ、1日のタンパク質摂取量が同じでも、均等摂取群の方が夕方にタンパク質をまとめて摂取する偏り摂取群に比べて、筋肉を効率よく合成することが明らかとなっています。

図2. タンパク質の均等摂取と偏り摂取による骨格筋タンパク質合成率の違い
図2. タンパク質の均等摂取と偏り摂取による骨格筋タンパク質合成率の違い

現代人は朝のタンパク質摂取量が少なく夜に多く摂る傾向にあります。なので、健康や美容のために筋肉を付ける、あるいは、維持する目的では、プロテインサプリメントを朝に摂取して、摂取タンパク質量をなるべく均等にするのが良さそうです。

尚、スポーツパフォーマンス向上のために筋肉増強を目的とするのであれば、筋トレや各種スポーツの後に30分から1時間以内のプロテイン摂取がおすすめです。激しい運動による筋肉損傷を回復させ、増強する働きがあります。