パーソナル化サプリメントのトッピング機能性成分(18)フレイル対策
このシリーズではパーソナル化サプリメント(PS)における各個人の目的のためのトッピング機能性成分の科学的根拠を説明しています。今回は加齢による筋肉の減少を抑えて要介護高齢者にならないためのフレイル対策です。
ヒトは年を取って日頃の食事量や運動量が少なくなると筋肉が減少し(サルコペニア)、徐々に体の力が弱くなり、運動器の障害や衰えによって歩行困難となります(ロコモティブシンドローム、身体的フレイル)。すると、やがて外出したくなくなり、引きこもり状態となって、社会性は低下します(社会的フレイル)。更に加えて、心も弱くなり、認知機能も低下していきます(精神的フレイル)。この体の働きとともに心の働きも弱くなった状態がフレイル(虚弱)です。
そして、フレイルになると多くのヒトが介護の必要な高齢者(要介護高齢者)となっていきます。厚生労働省の調査によりますと、要介護(要支援)の認定者数は、認定制度開始の平成12年度以降、年々、増加の一途で、その傾向は2035年頃まで続き、増加のペースは緩まない見込みとなっています。そして、2035年には認定者数は960万人と予想されています。
私の母は2年前に他界しましたが、要介護認定者でした。私自身が母の介護を経験し、同世代の友人からの現在進行中の大変な親の介護の話を聞くことも多くなってきました。私は昨年65歳になり既に高齢者の仲間入りをしたのですが、このような経験から、これから20年後、85歳になっても介護の必要はない健康的な高齢者でいたいと強く思うようになりました。
では、フレイルにならないため、要介護高齢者にならないためには、どのようにすればいいのでしょうか?
それは、フレイルになる前のロコモティブシンドローム、そして、サルコペニアを予防する、つまり、筋肉の減少を抑えて、筋肉を維持することが大事なのです。
高齢者が筋肉の減少を抑えるために最も重要なこと、それは、日頃から体を動かすことです。たとえば、ウォーキングなどの運動習慣を身に付けることです。
そして、もう1つ、筋肉を維持するための食事習慣として、朝にしっかりとタンパク質(プロテイン)を摂取することです。
現代人の食習慣は、朝食は低タンパク質高糖質食を摂り、夕食に高タンパク質食を摂っています。タンパク質を摂らず、パンやおにぎりだけの人も多いはずです。そのような人は糖質過多の朝食で肥満の原因にもなっています。必ずタンパク質も一緒に摂りましょう。また、タンパク質は一度に大量に代謝できないため、3食に分けて摂取をする必要があります。なかでも、朝食にしっかりとタンパク質を摂ることが重要なのです。朝食のタンパク質摂取は、昼食や夕食よりも効率的に筋肉をつくることが明らかとなっています。
65歳以上の女性27名を対象としたヒト試験において、朝にタンパク質を摂取した群が、最も筋力が高まることが確認されています。
朝にタンパク質を摂取しないで夜に摂取する人は筋肉がつきにくいことを検証した報告があります。健常な成人男女8名を対象としたヒト試験です。偏り摂取群(4名)と均等摂取群(4名)に分け、それぞれ、朝昼夕にタンパク質量を含む食事を7日間摂取してもらい、30日間のウォッシュアウト期間を経てクロスオーバーして、さらに、7日間の食事をしてもらっています。尚、1日のタンパク質摂取量は90gに統一した上で、偏り摂取群は朝食と昼食は20g以下で夕食は60g以上とし、均等摂取群は朝昼夕に平均的に30gとしています。
1日目と7日目に24時間の骨格筋タンパク質合成率を調べたところ、1日のタンパク質摂取量が同じでも、均等摂取群の方が夕方にタンパク質をまとめて摂取する偏り摂取群に比べて、筋肉を効率よく合成することが明らかとなっています。
現代人は朝のタンパク質摂取量が少なく夜に多く摂る傾向にあります。フレイル対策や美容のためにも筋肉を付ける、あるいは、維持する目的では、プロテインを配合したパーソナル化サプリメントを朝に摂取して、摂取タンパク質量をなるべく均等にするように心がけるようにしましょう。
また、筋肉を維持するだけでなく、増強するためのパーソナル化サプリメントのトッピングとしては、ヒトケミカル、HMB、クルクミン、ブラックジンジャー、ウルソール酸、BCAA、マカが挙げられます。その詳細は、株式会社シクロケムホームページの『観るラジオ』から、カテゴリー一覧で『パーソナル化サプリメント』の動画を視聴して頂ければ幸いです。