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最新研究成果
第48回 アスタキサンチン含有油の運動能力向上に対するシクロデキストリンの効果

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※本研究成果は、2012年9月7日(金)、第29回シクロデキストリンシンポジウム(9/6~7、星薬科大学(東京)にて開催)において発表しました。

背景

当社ではシクロデキストリン(CD)の包接機能を利用して、機能性成分の水溶性、安定化、バイオアベイラビィティなどを向上させる技術を有しております。それらの成果は化粧品、食品等の様々な分野で広く利用されています。最近では高いアンチエイジング作用を有する『アスタキサンチン』という成分に注目し、それをγ-シクロデキストリンで包接することで安定な粉末の作成に成功しました。現在、健康食品・機能性化粧品素材を目指した機能評価を行っており、γ-CD包接によりアスタキサンチンの抗酸化活性が向上することを明らかにしています(※詳しくは、当社ホームページの最新研究成果「第8回」、「第23回」を参照して下さい。)。
また、このアスタキサンチン含有油-γCD複合体粉末では、アスタキサンチンの吸収性が向上することも確認されています(特開2008-291150)。そこで今回は、吸収性の向上による効果を調べるために、アスタキサンチン-CD複合体摂取による運動持久力向上効果をマウス限界遊泳時間測定によって評価した。

アスタキサンチンの構造

アスタキサンチンは、カロテノイド骨格を有し、その両端の環状構造部分にケトンと水酸基を有するキサントフィルである。

生物中では両端の水酸基が脂肪酸とエステル結合した構造で存在し、藻類(Hematococcus pluvialis)の場合では、ジエステル型(15%)、モノエステル型(80%)、フリー型(5%)となっている。また、甲殻類などではタンパク質と結合したカロテノプロテインとして存在している。これは黒っぽい青灰色であるが、加熱によってタンパク質分子が変性してアスタキサンチンが遊離すると本来の赤色を呈する。

Astaxanthin
CAS 登録番号: [472-61-7] CAS 名: 3,3’-dihydroxy-β,β-carotene-4,4’-dione
分子式:C40H52O4
分子量:596.82

CD包接による効果

アスタキサンチン原料:
ASTOTS-10O(武田紙器株式会社:ヘマトコッカス藻抽出物でアスタキサンチンを10%含有する。)

投与サンプル(括弧内はアスタキサンチン含有量):
従来品…アスタキサンチン-βCD複合体(2%)
γCD包接品…アスタキサンチン-γCD複合体(2%)

試験方法:SDラット(8週齢♂)にアスタキサンチンが20mg/kgBWとなるように経口投与し、経時的に頸静脈から採血しAx濃度を測定した。

結果:

特開2008-291150(株式会社シクロケム、武田紙器株式会社、富士フイルム株式会社)

マウス遊泳試験

使用原料:
ASTOTS-10O*(武田紙器株式会社)
CAVAMAX W6 Food (αCD:Wacker Chemical Corporation)
CAVAMAX W7 Food (βCD:Wacker Chemical Corporation)
CAVAMAX W8 Food (γCD:Wacker Chemical Corporation)

*ヘマトコッカス藻抽出オイル(アスタキサンチン10%含有:フリー体換算)。 アスタキサンチンはジエステル(15%)、モノエステル(80%)、フリー体(5%)であり、それ以外の組成は脂肪酸トリグリセリド(脂肪酸組成はパルミチン酸(16%)、オレイン酸(17%)、リノール酸(32%)、αリノレン酸(16%)、その他)。

CD複合体の調製:
ASTOTS-10Oと各種CDを脱イオン水中でホモジナイザーを用いて撹拌し、均一な乳化物を得た後に凍結乾燥を行い、対象物質とCDとの複合体粉末を得た。

試験方法:
マウス(5週齢Std DDY mice, 清水実験動物株式会社)は本試験の2週間前から週に2回、遊泳訓練を行い、各群間で遊泳能力が均等となるように群分けを行った(1群10匹)。調製した試験サンプルを少量の水に懸濁させ、1日1回、週5日間、5週間継続的にゾンデを用いてマウスに経口投与し、限界遊泳時間の測定をおこなった。遊泳は、日内変動を除く目的で午前11時~午後5時までの間に京大松元式遊泳装置(有限会社アニテック)を用いて行った。

遊泳条件:流速7L/min、水温32℃
限界遊泳時間:マウスが疲労困憊し、その頭部が5秒以上水没した状態となるまでの時間
試験品投与量:オリーブオイル(対照群) アスタキサンチン55mg/kg体重(試験群)

京大松元式遊泳装置(有限会社アニテック):
アクリルプラスチック製の水槽(90x45x45cm)
水表面の流速がプール幅にわたって均一になるように設計されており、5匹前後のマウスを均一な条件で同時に遊泳させることができる。

Fig 1

アスタキサンチン投与後のマウス限界遊泳時間

コントロール群に対する各群の有意差:* p<0.05

各群に投与した試験サンプル:
(括弧内はアスタキサンチン含有量)
①…オリーブオイル
②…ASTOTS-10O(10.1%)
③…ASTOTS-αCD複合体(1.7%)
④…ASTOTS-βCD複合体(2.2%)
⑤…ASTOTS-γCD複合体(2.1%)

アスタキサンチン含有油-CD複合体の投与群においてマウスの限界遊泳時間が延長が確認された。

まとめ

疎水性の油状物質であるヘマトコッカス藻抽出アスタキサンチン含有油-CD複合体の投与群においてマウスの限界遊泳時間が延長が確認された。
この結果にはCD包接によるアスタキサンチンの吸収性向上が関係していると考えられるが、詳細なメカニズムは不明であり、今後検討する必要がある。

CDによってこれら機能性物質の経口摂取時の利用効率が上昇した。

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