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αリポ酸の低血糖症の発症原因の解明 ~ラセミ体に含まれるS体~

αリポ酸のサプリメントを摂取した際に、低血糖を起こすことがまれにみられることから問題となっています。厚生労働省からも、この問題に対して、低血糖症の症状が見られたときはすぐに服用を止めるようにと通達がありました。

先ずは、現在、原因と考えられている、その低血糖症の起こる機構です・・・・・

その機構の最初の段階は・・・・・インスリンとαリポ酸のSH基の反応によるものと考えられています。インスリンは、ブドウ糖を集め、グリコーゲンにして筋肉や肝臓に貯蔵することで血糖値を下げるために、すい臓(ランゲルハンス島)から分泌されるが、2本の鎖が絡み合った構造をしています。(図1)

図1. ヒトのインスリンのアミノ酸配列

図1. ヒトのインスリンのアミノ酸配列

αリポ酸のSH基が鎖の結合部を切断すると、2本に分離した鎖の一部はHLA遺伝子を持つ特定の白血球の型と結びつきやすくなります。そして、結びつくと異物(抗原)として認識され、その抗体が作り出されます。その抗体は、血中で正常なインスリンと結合し、インスリンの働きを抑えます。そこで、すい臓は、血糖値を正常に保つため新たなインスリンを分泌します。一方で、抗体との結合は緩く、インスリンは簡単に脱離します。その結果、大量のインスリンによって低血糖になると考えられているわけです。

このHLA遺伝子と呼ばれる白血球の型は東アジアに特徴的なのです・・・・・

日本人の場合、この型を持つ人は約8%いますが、欧米人の場合には人口の1%に満たないことがわかっています。つまり、αリポ酸による低血糖の問題は日本人にあるのです。

他にもSH基を持つ医薬品やサプリメントで発症が確認されています。よって、確かにSH基がインスリンの2本の鎖の結合部を切断して、2本の鎖が分離されることが原因と考えられます。しかしながら、αリポ酸は、もともと生体内で生産されているものですので、この白血球の型を持つすべての人は低血糖になる危険性があることになるわけです。

日本人の8%は生まれた時から低血糖症になる危険性がある???

おかしいと思いませんか?

インスリンは、天然のアミノ酸が配列されたタンパク質の天然キラル分子であり、一方、生体内にもともと存在するαリポ酸も天然型のR体のみです。そこで、私たちは、ラセミ体のαリポ酸サプリメントで、低血糖症を発症する原因は非天然のS体が原因ではないかと仮説を立てたのです。

まず、ドッキングシュミレーションソフト(MOE)を用いて、αリポ酸のR体とS体がインスリンにどのように近づいてくるか、水素結合形式(弱い結合)について計算しました。

そして、予想通りの結果が得られたのです・・・・

次の文章は化学を学んでいなければ少し理解が困難な部分ですが、飛ばしていただいても全体の内容は把握できますのでご安心ください。

『αリポ酸のR体では、カルボキシル基がインスリンのArg22のアミノ基と水素結合し、Glu17のカルボキシル基とも水素結合していました。一方、αリポ酸のS体では、カルボキシル基がインスリンのGlu20のアミノ基とGlu21のカルボキシル基と水素結合していたのです。(図2)

図2. インスリンとR-αリポ酸(左)、及び、S-αリポ酸(右)の水素結合形式

図2. インスリンとR-αリポ酸(左)、及び、S-αリポ酸(右)の水素結合形式

そして、図3に示しますように、上部に位置しているαリポ酸がR体で下部のαリポ酸がS体であり、インスリンに安定に水素結合する部位はこのようにR体とS体では異なっているのです。ということは、αリポ酸のカルボキシル基から離れた位置にあるSH基とインスリンの鎖の結合部位との位置関係もR体とS体では異なるということで、非天然のS体はインスリンと不自然な結合をしていると考えられたのです。』

図3. R-αリポ酸とS-αリポ酸の結合部位の違い

図3. R-αリポ酸とS-αリポ酸の結合部位の違い

この内容をまとめますと・・・・・

天然型のR体と非天然型のS体ではインスリンへの近づき方、つまり、R体とS体はインスリンとの結合の仕方に違いのあることが確かめられたのです。

そこで、次に、実際に、人のインスリンを用いてその水溶液にR体とS体を添加すると、どのようになるのかを検討してみました。

その結果、S体を添加すると凝集現象が観られたのです・・・・・・

その一方、R体を添加しても凝集は観られていません。そこで、その凝集現象を濁度として数値化したのが図4です。S体の場合、時間の経過とともに650nmの吸光度が増加しています。一方、R体に大きな変化はありませんでした。

図4. ヒトインスリンとS-αリポ酸(SALA)による凝集現象

図4. ヒトインスリンとS-αリポ酸(SALA)による凝集現象

それは、目視でも確認できました。(写真)S体を添加すると10分後で既に濁度は確認でき、120分後には比較的大きな凝集物が生成していました。

写真:ヒトインスリンとS-αリポ酸(SALA)による凝集現象

写真:ヒトインスリンとS-αリポ酸(SALA)による凝集現象

私たちはこれまでにも市販されているαリポ酸(ラセミ体)摂取の危険性を報告してきました。特に、血中のヒトアルブミンとS体が凝集物を形成することを確認し、糖尿病や脂質異常症の方々の摂取は特に危険であることを訴えてきました。

http://blog.livedoor.jp/cyclochem02/archives/37991743.html

そこで、今回、さらにわかったことです・・・・・・

非天然のS体は血中のヒトアルブミンにとどまらず、インスリンに対しても化学反応し、凝集物を形成するということでした。

アルブミン水溶液とインスリン水溶液にS体を添加した際の凝集現象を濁度評価した結果を図5に示しておきます・・・・・

図5. ヒトアルブミン、及び、ヒトインスリンにS-αリポ酸(SALA)を添加した際の凝集現象の比較

図5. ヒトアルブミン、及び、ヒトインスリンにS-αリポ酸(SALA)を添加した際の凝集現象の比較

この結果から、S体はインスリンと反応し(結合し)、できた物質は異物(抗原)として認識され、その抗体が作り出されたと考えられないでしょうか?

そうであるなら、前述の機構通り、その抗体は、血中で正常なインスリンと結合し、インスリンの働きを抑える。そこで、すい臓は、血糖値を正常に保つため新たなインスリンを分泌します。一方で、抗体との結合は緩く、インスリンは簡単に脱離します。その結果、大量のインスリンによって低血糖になった・・・・

私たちは、現在、このS体とインスリンの凝集物の構造解明に取り組もうと考えております。現段階では、いまだ仮説段階であり、このようなビトロ試験しか行えないのですが、S体が原因である可能性は大きく高まっていると考えます。

前述の特殊な白血球の型を持っているヒトで臨床試験は行えないため・・・・・

これまでにαリポ酸の研究報告において、低血糖症ではなく高血糖症に関する報告は幾つかあります。糖尿病モデルマウスの実験において、R体を摂取すると死亡率が低下し、つまり、R体は糖尿病の治癒効果のある物質、一方、S体を摂取すると死亡率が大幅に上昇すること、つまり、S体は毒物であることが示されています。

この低血糖症と高血糖症(糖尿病)は相反する症状ですが、いずれもインスリン制御の問題なのです。非天然体のS体がインスリンと反応することで、場合によってはインスリン過剰に、場合によってはインスリン不足になってしまい、それぞれ、起こる症状と考えられるのです。

やはり、αリポ酸のサプリメントはラセミ体ではなくて、R体、R-αリポ酸のみが含有されているサプリメントであることを確認して購入するように心がける必要があります。

健康でいてほしい・・・・・これを読んでいただいた皆様の愛する家族、親戚、知人のためにも・・・・・

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