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その1. CoQ10とL-カルニチンによる脂肪燃焼促進相乗作用

三大ヒトケミカル(CoQ10、R-αリポ酸、L-カルニチン)は、何れもミトコンドリア内でATP生産に係わっている物質であることが知られています。L-カルニチンは脂肪を、R-αリポ酸は糖を代謝して、ATP生産に必要なアセチルCoAという物質に変換するために働き、CoQ10はATP生産の最終工程の電子伝達系で働いています。(図1)

図1. ミトコンドリアにおけるヒトケミカルのエネルギー産生のための役割

図1. ミトコンドリアにおけるヒトケミカルのエネルギー産生のための役割
(L-カルニチンとCoQ10による脂肪からのエネルギー変換

このシリーズでは、三大ヒトケミカルの組み合わせによる様々な機能の相乗作用に関する報告を紹介していきます。先ずは、コエンザイムQ10(CoQ10)とL-カルニチン(LC)による脂肪燃焼促進の相乗作用です。

CoQ10はユビデカレノンまたは補酵素Q10として知られる高等動物に存在する補酵素Qの1種で、三大ヒトケミカルの1つです。CoQ10は臨床的には狭心症、心不全、虚血性心疾患の症状改善に対して薬理作用が認められています。また、軽度から中等度の鬱血精神不全症の治療薬、高血圧症、歯周病、制癌剤や向精神薬の副作用予防効果、そして、皮膚外用剤としての老化防止効果等も知られています。これらの効能効果は、ミトコンドリア内でブドウ糖や脂肪代謝によるエネルギー産生作用と抗酸化作用に関与していますが、残念ながらCoQ10による体脂肪の減少や体重の減少に対する検討はあまり試みられていません。

一方、LCも医薬品として認可を受けて胃液、腸液、唾液、胆汁の分泌および腸管運動の亢進がみられる消化機能亢進剤として用いられています。脂質代謝においてミトコンドリアへの脂肪酸の運搬に関与し、脂肪燃焼促進作用の他に疲労回復作用を有することもよく知られています。

ここでLCとCoQ10を同時に摂取すると、図1に示すようにLCによってミトコンドリア内に移動した脂肪酸からのエネルギー変換がスムーズに進行するものと考えられ、脂肪酸が効率的に代謝されれば、LC単独よりも相乗的な脂肪燃焼促進が起こる可能性があります。

そこで、峰村らのグループは2003年に、CoQ10とLC摂取による体脂肪率の変化をBMI値と体脂肪率の近い成人女性60名に摂取してもらって検討しています。

尚、この検討では、CoQ10とLCとともに共役リノール酸の効果も調べていますが、共役リノール酸はヒトケミカルではないのでここでは省略します。

CoQ10とL-カルニチンを含有するソフトカプセルを用いていますが、これらのカプセルにはそれぞれCoQ10は10mg、LCは222mg含有しています。プラセボ、CoQ10、LC、CoQ10+LCの4群に分け、各群BMI値および体脂肪率が近い10名の成人女性(年齢20才~40才)にそれぞれのソフトカプセルを食後に1粒、1日3回摂取してもらっています。そして、試験開始時と3ヵ月後に体重、BMI、および、体脂肪率を測定し、その平均値を算出しています。尚、試験期間中に被験者は、食欲減退、下痢など特に異常を認められていません。

その結果、CoQ10投与群はプラセボと同様に体脂肪、BMIに変化は観られなく、LC投与群では体脂肪、BMIともに減少傾向が僅かに観察されました。ところが、CoQ10とLCの併用投与群では体脂肪率、BMIともに明らかな低下が認められ、CoQ10とLCには期待通りの相乗的な脂肪燃焼促進作用のあることが判明しています。(図2)

図2. CoQ10とL-カルニチンの相乗的な脂肪燃焼作用

図2. CoQ10とL-カルニチンの相乗的な脂肪燃焼作用

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