寿命延命物質と知られるレスベラトロールの美容効果とは(2)
前回に引き続き、『寿命延命物質と知られるレスベラトロールの美容効果とは』というタイトルでレスベラトロールとその二量体であるグネチンC(レスベラトロール分子二つが結合した物質)の“寿命延命”や“抗肥満・抗糖尿病”などの健康増進効果だけではない“美しくなるための”美容効果についての紹介の第2回目です。
ここでは、レスベラトロールによるシミやシワの原因を抑える効果を取上げます。シミやシワの原因となる炎症に関する遺伝子を発現させるNF-κB(エヌエフカッパービー)というタンパクは「老化遺伝子の鍵」とも呼ばれ、NF-κBが活性化するとシワやシミが増えてくることが判っています。レスベラトロールはこのNF-κBの活性を抑えて肌荒れを防止できることが下記論文で明らかとなっています。
Suppression of Ultraviolet B Exposure-Mediated Activation of NF-KB in Normal Human Keratinocytes by Resveratrol, Neoplasia. Vol. 5, No. 1, January 2003, pp. 74 – 82
この論文はSKH-1無毛マウスを用いた検討です。紫外線(UVB)を照射するとNF-κBは活性化するのですが、レスベラトロールの塗付量が増加するにしたがって、また、塗付してからの時間が経過するにしたがって、レスベラトロールのNF-κB抑制効果(肌荒れ防止効果)が示されています。
次の報告はレスベラトロールの美白作用です。ここで取上げる論文はマウスメラノーマB16細胞を用いた細胞による試験です。
Inhibitory Effect of Gnetin C, a Resveratrol Dimer from Melinjo (Gnetum gnemon), on Tyrosinase Activity and Melanin Biosynthesis Biol. Pharm. Bull. 35(6) 993–996 (2012)
レスベラトロールもレスベラトロール二量体(レスベラトロール2分子が結合した物質)のグネチンCの何れもチロシナーゼ阻害活性とメラニン合成阻害効果を示しています。つまり、レスベラトロールにシミの原因となるメラニンの生成を抑える効果があることが明らかとなっています。
次の報告はレスベラトロールのにきび改善効果です。
Resveratrol-Containing Gel for the Treatment of Acne Vulgaris
Am J Clin Dermatol 2011; 12 (2): 133-141
尋常性ざそう、いわゆる、炎症性の皮膚疾患であるニキビの患者20名(男性12名、女性8名)を対象にレスベラトロール0.01%を含有するヒドロゲルを顔の右側に、そして、レスベラトロールを含有しないヒドロゲルを顔の左側に60日塗ってもらいました。その結果、ニキビの重症度を示すGAGSスコアはレスベラトロールを処方していない顔左側がわずか6%の減少に対して、レスベラトロールを処方した顔右側は53.7%有意に低下していました。
以上、肌のシミやシワ、および、ニキビ肌に対するレスベラトロールの効果に関する報告でした。次回は、レスベラトロールの抗酸化作用に関する報告の紹介です。