大麦若葉の効能(4) 短鎖脂肪酸産生と糖代謝を促進するプレボテラ菌増殖作用
朝の一杯目は『マヌカハニー青汁』に砂糖と牛乳を入れた青汁ミルクにしてみませんか?ホットでもコールドでも抹茶ミルクのように美味しくいただけます。そして、健康的です!
このシリーズは、『大麦若葉の効能』とのタイトルで、『マヌカハニー青汁』の青汁原料である大麦若葉の効能を紹介しています。
(1)では、大麦若葉に含まれる生理活性物質の中でも特異で顕著な抗酸化作用を有する物質である2"-O-グリコシルイソビテキシン(GIV)について紹介し、(2)では、もう一つの大麦若葉に含まれる特異な生理活性物質で成長ホルモン生成促進作用のあるビタミンEの誘導体について紹介しました。さらに、(3)では、大麦若葉の便秘改善効果に関する検討について紹介しました。今回は、ラットを用いた大麦若葉の検討ですが、最近、図1に示すようなさまざまな健康増進作用で注目されている短鎖脂肪酸の生産量の増加と腸内環境改善に関する検討です。
東京家政学院大学の海野らのグループによる2016年の下記論文を紹介します。
『ラットの腸内細菌叢と盲腸内容物短鎖脂肪酸含量に及ぼす大麦若葉搾汁末の影響』
Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi, 63(11), 510-515 (2016)
雄ラット(n=26)を1週間予備飼育した後、①Control群(n=8)、 ②大麦若葉搾汁末(100g当たり水溶性食物繊維1.8g,不溶性食物繊維2.7g含有)を2%与えた群を2%大麦若葉群(2%YBL群)(n=9)、③10%与えた群を10%大麦若葉群(10%YBL群)(n=9)に群分けし、4週間、飼料と水は自由摂取として飼育しています。そして、飼育4週目に糞を回収し、盲腸内容物中の短鎖脂肪酸と腸内細菌叢の解析を行っています。
その結果、10%YBL群ではControl群と比較して酢酸、プロピオン酸、酪酸のいずれも高い値を示しています。大麦若葉に含まれる水溶性食物繊維が短鎖脂肪酸産生に利用されたと考えられます。
腸内細菌叢の解析による各種細菌の占有率をみると、明らかに日和見菌として知られるプレボテラ菌の占有率が大きく高まっていることが判ります。
このように、プレボテラ菌については大麦若葉搾汁末の配合量依存的な増加を示しています。
尚、Kovatcheva-Datcharyらの研究では,健常人を対象に食物繊維を多く含む大麦を用いたパンを摂取してもらい、その後に糖負荷試験を行っています。その結果、血糖上昇が抑制された被験者群の糞便中ではプレボテラ菌が増加していることを明らかにしています。プレボテラ菌が糖代謝に関与していると考えられており、プレボテラ菌の占有率を高めることで糖代謝が改善される可能性があります。
以上、大麦若葉には短鎖脂肪産生作用と糖代謝を改善するプレボテラ菌の増加作用のあることが明らかとなっています。