マヌカハニーは新型コロナウイルスの感染対策に対して有効かどうかについて
3月10日火曜日のテレビ番組『林修の今でしょ!講座』で新型コロナウイルスの感染対策にマヌカハニーが効くかもしれないと講師の先生が言っていたとネットでも話題になっています。そこで、マヌカハニーに関して誤解のないようにこの場所で見解を述べておきたいと思います。少しだけ長くなりますがお許しください。
番組で取り上げていた長崎大学の報告でインフルエンザウイルスに対する効果につきましては以下の記事をご参照下さい。
マヌカハニーによるインフルエンザの効果的撃退法とは!
もちろん、コロナウイルスに対しての検討ではありませんので効果があると断言はできません。しかしながら、インフルエンザウイルスに対してアカシアやソバよりもマヌカハニーのウイルス増殖の阻止能力が高い理由は明らかにメチルグリオキサール(MGO)であることに間違いはないと思います。なぜなら、グルコースからグルコースオキシターゼによって発生する過酸化水素やフラボノイドなどの抗ウイルス作用物質の含有量に関しては各種ハチミツに大きな差はないのですが、MGOに関してはマヌカハニーに含まれる含有量が100mg~1000mg以上/kgに対して他のハチミツは0mg~10mg程度/kgであるからです。

これまでに見いだされてきたハチミツ中の活性成分含有量は各種ハチミツに大きな差はみられない!

よって番組で講師の先生が言われていた『マヌカハニーは高価なのでMGO濃度の低い安価なものを選んでも問題ないと思います。』はハッキリ言って間違いだと思います。
インフルエンザもコロナもウイルスはすべて核酸のRNAやDNAがタンパク質で覆われた形をしていて、さらに、人の細胞に侵入するためのスパイクもタンパク質で出来ています。
MGOはタンパク質を糖化して変質させますのでウイルスの増殖を抑制する効果は期待できると思います。よって、マヌカハニーはMGOの高濃度のものほど効果は高いと考えられます。ただ、マヌカハニーについて最も伝えたいことは悪質なマヌカハニー業者に騙されないことです。MGOが高濃度であると偽って販売している業者が多いことです。その理由は、日本にはMGOの分析可能なラボが2ヶ所しかない為なのです。品質が保証されている確かなものを選びましょう。
また、ウイルス対策に関しては、プロポリスの方がマヌカハニーよりもインフルエンザウイルスに対する抗ウイルス効果の検討は行われてきました。米国の1992年の論文(J. Nat. Prod., 1992 Mar; 55(3):294-302)も日本の論文(Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine Volume 2011, Article ID 254914)もプロポリスに含まれる桂皮酸誘導体が抗ウイルス作用に関する有効成分だとしておりますので桂皮酸誘導体であるCAPEを含むニュージーランド産プロポリス(CAPE30+:CAPE規格値30mg以上/10g)は抗ウイルス作用を期待できると思います。よって、ウイルス対策にマヌカハニーとプロポリスの双方を配合しているプロポリスキャンディを予防のために常備するのは良いかも知れません。