骨の健康について(2)骨粗鬆症は老人の病気か?
今回は圧迫骨折と密接な関係にある骨の病気、骨粗鬆症です。骨粗鬆症は骨の主成分で80%を占めるカルシウムが減少して骨密度が下がるために骨折しやすくなる症状であり、歳をとると性ホルモンの分泌やビタミンDの働きが低下し、新しい骨を作る能力が衰えます。特に女性は閉経後に女性ホルモンのエストロゲンが急激に減るために男性よりも骨粗鬆症になりやすくなるのです。
よって骨粗鬆症になる確率からすると、高齢の方に起こる確率が高い病気であることは間違いありません。しかし、もっと厳密に言うと、高齢の女性に特に多い病気と言えます。
では、どのようにして予防したらいいのでしょうか?
女性の骨粗鬆症予防に女性ホルモンのエストロゲンに似た働きを持つイソフラボンが注目されています。イソフラボンは大豆胚芽に多く含まれるフラボノイドでダイゼインやゲニステインといった大豆には15種類のイソフラボンが確認されています。欧米では日本人の長寿の秘訣に、そして、更年期障害、骨粗鬆症、乳がん等の発生率に低さに大豆摂取が関与しているとしてイソフラボンの研究が活発に行われています。
その結果、これまでに、イソフラボンによる効果として、骨粗鬆症の予防改善効果や乳がん予防効果のみならず、前立腺がん予防効果、コレステロール低減効果、抗酸化作用による美容効果なども確認されてきています。
一方で、イソフラボンは高齢者や閉経後の女性には大変有効な成分ですが、15才未満の方や妊娠中・授乳中の方には、その摂りすぎによる副作用が懸念され注意が促されています。サプリメントで摂取する際には1日に30mgが上限だとされていますので含有量を確認して摂取しましょう。
また、カルシウムを保持する為には骨のもう1つの重要成分であるコラーゲンも重要な役割を持っています。骨芽細胞を活性化してコラーゲン生成を促す成分のコエンザイムQ10(CoQ10)と、正常なコラーゲンの形成補助成分であるビタミンCを常時補給するよう心がけましょう。