研究成果
第47回 γ-シクロデキストリンが R-αリポ酸の吸収に及ぼす影響
本研究成果は、2012年5月26日(金)、日本薬剤学会第27回年会(5/24~26、神戸国際会議場(神戸)にて開催)において発表しました。
背景
当社ではシクロデキストリン(CD)の包接機能を利用して、機能性成分の水溶性、安定化、バイオアベイラビリティなどを向上させる技術を有しております。それらの成果は化粧品、食品等の様々な分野で広く利用されています。最近では高いアンチエイジング作用を有していながら、安定性が低く、摂取しても効果が現れにくい『R-αリポ酸』という成分に注目し、それをγ-シクロデキストリンで包接することで安定性を飛躍的に高められるということに成功し(※詳しくは、当社ホームページの最新研究成果「第33回」、「第34回」を参照して下さい)、健康食品・機能性化粧品素材として商品化しました。
R-αリポ酸はその不安定性のためバイオアベイラビリティの低さが課題となっています。そこで、本研究ではγ-CDにより安定性を高めたR-αリポ酸包接体のバイオアベイラビリティを検討するために、ラットに対する吸収性の評価を行いました。
αリポ酸の訴求点
吸収性試験
実験
試験動物
SDラット(8週齢, オス, N=4)
投与
ヒスタミン投与後 R-αリポ酸として20mg/kgとなるようにR-αリポ酸もしくはR-αリポ酸-γ-CD包接体をゾンデで投与した。
分析
血漿中のR-αリポ酸濃度をLC-MS/MSにより分析した。
→ γ-CD包接によりR(+)-αリポ酸の吸収性が向上した。
まとめ
R-αリポ酸の体内吸収性についてγシクロデキストリン包接の効果を検討した。
- γ-CD包接により安定性が高まったR-αリポ酸は体内吸収性も高まっていることが明らかとなった。
→ R-αリポ酸γ-CD包接体の摂取によりより優れたアンチエイジング効果が期待できる。