ほんとに注目すべきは「吸収型CoQ10」!について(2)ビタミンC併用による美肌効果
テレビやラジオで今話題の『還元型CoQ10』よりも『吸収型CoQ10(包接体)』の方が、科学的にみると、数段すばらしい機能性素材である……その理由を、同シリーズの(1)で説明させていただきました。
そのポイントをまとめると……
- 『還元型CoQ10』は、不安定なために酸化分解しやすい…そこで、『吸収型CoQ10』にビタミンCを併用摂取すれば腸管内、生体内で簡単に『還元型CoQ10』に変換され、『還元型CoQ10』とまったく同じ抗酸化物質としての効能を発揮する。
- 『還元型CoQ10』は、酸化型と同じく生体への吸収率が低い…健常人72名に『吸収型CoQ10』を摂取後、時間的な血中CoQ10濃度変化を確認すると他のCoQ10製剤に比べ、吸収性と持続性が高く約18倍の吸収率を持つ。
- よって、『吸収型CoQ10』とビタミンCを併用摂取すれば、高容量の『還元型CoQ10』を摂取できる。
そこで、今回は『吸収型CoQ10』(CoQ10(コエンザイムQ10)として30mg)とビタミンC(150mg)を配合したサプリメントを1ヶ月~1.5ヶ月摂取してもらい美肌効果を調べた結果を紹介します。
と、その前に“肌のキメ”についてのまめ知識……
新生児の肌のキメは、大変細かく、潤いがありますよね。でも、生まれた後はエイジングと酸化ストレスによってキメの状態は誰もが悪化に向かいます。このキメの悪化の主な原因は、実は、真皮内にあるコラーゲンの劣化なのです。
ビタミンCはアミノ酸のプロリンからコラーゲンの原料となるヒドロキシプロリンを作る重要な物質であり、CoQ10は線維芽細胞を活性化させてコラーゲンを作る、そして、還元型CoQ10とビタミンCは抗酸化物質としてコラーゲンを活性酸素から保護する働きがありますので、このサプリメントでキメの状態は改善されるはずです。
先ずは、10名のボランティアに、このサプリメントを1ヶ月間摂取してもらいました。1ヶ月後、キメの体積率、平均深度、個数を評価したところ、なんと全員のキメの状態は向上していました。
before | after | |
キメ体積率 (μm3/mm2/100) |
15.60 | 31.60 |
キメ平均深度 (μm) |
33.30 | 36.36 |
キメ個数 (N/mm) |
1.05 | 1.78 |
before | after | |
キメ体積率 (μm3/mm2/100) |
24.70 | 40.90 |
キメ平均深度 (μm) |
38.00 | 46.89 |
キメ個数 (N/mm) |
1.34 | 1.13 |
before | after | |
キメ体積率 (μm3/mm2/100) |
10.40 | 37.00 |
キメ平均深度 (μm) |
36.61 | 37.50 |
キメ個数 (N/mm) |
0.54 | 1.84 |
このように10名のボランティアのキメ状態の評価において、すばらしく良好な結果が得られたのですが、美容の専門家や有識者の意見では季節(温度、湿度)変化に伴うキメ状態変化の可能性は否定できないとのことでした。
そこで、さらに挑戦です……
1回目の検討で行った春を避け、反対の季節である秋に2回目の検討を行いました。 喫煙者18名を対象に肌試験を行ないました。理由としては、喫煙者に肌に問題がある人が多いからです。1日10~20本喫煙する年齢が、30歳から60歳までの35名のボランティアを募りました。そして、35名から肌弾力性の低い順番に男女9名ずつを選択しました。
計 | 男性 | 女性 | |
---|---|---|---|
人数 | 18 | 9 | 9 |
年齢 | 41.2 ± 7.5 | 42.6 ± 9.1 | 39.8 ± 5.7 |
身長(cm) | 165.6 ± 7.1 | 170.3 ± 4.7 | 160.9 ± 6.0 |
体重(kg) | 59.3 ± 7.3 | 65.0 ± 4.5 | 53.5 ± 4.3 |
BMI | 21.3 ± 2.1 | 22.5 ± 2.2 | 20.7 ± 1.5 |
1回目と同じ『吸収型CoQ10』とビタミンCを配合したサプリメントを6週間摂取してもらい、キメとシワの変化を確認した結果を(図4)、(図5)、そして、それらの(サンプル画像4)と(サンプル画像5)に示します。2回目の検討でも1回目と同様に、すばらしく良好な結果であることが分かって頂けたと思います。
容積 (μm3/mm2/100) |
深さ(最大) (μm) |
幅(最大) (μm) |
数 (/mm) |
|
---|---|---|---|---|
摂取前 | 295 ± 138 | 536 ± 134 | 674 ± 137 | 0.861 ± 0.135 |
摂取3週間後 | 298 ± 149 | 530 ± 136 | 678 ± 159 | 0.815 ± 0.157* |
摂取6週間後 | 270 ± 137 | 515 ± 142 | 636 ± 160 | 0.756 ± 0.138*** |
Statistical analysis was carried out by Dunnett method. (n = 18)
*: P < 0.05 **: P < 0.01 ***: P < 0.001
容積 (μm3/mm2/100) |
深さ(Max) (μm) |
数 (/mm) |
|
---|---|---|---|
摂取前 | 30.3 ± 10.6 | 47.5 ± 2.9 | 0.921 ± 0.322 |
摂取3週間後 | 32.6 ± 8.9 | 48.6 ± 2.6 | 0.900 ± 0.244 |
摂取6週間後 | 35.6 ± 11.0*** | 48.3 ± 2.0 | 1.009 ± 0.319** |
Statistical analysis was carried out by Dunnett method. (n = 18)
*: P < 0.05 **: P < 0.01 ***: P < 0.001
そして、2回目は肌の弾力性の変化も検討しました。被験者の右耳朶下の付根と右唇端とを結んだ直線上の、右耳朶下の付根から4cmの部分を環境調整室にて測定しました。(図6)の右側のグラフに参考値として女性年代別弾力性(戻り率)を示しておりますが、50代の女性平均よりも低かった弾力性が6週間の摂取によって20代女性の平均近くまで向上するという驚くべき結果が得られています。
さらに、肌の保湿性変化も確認しました。被験者の右耳朶の下と右唇端とを結んで、耳朶の下から5cm、5.5cm、6cmの3ヶ所を環境調整室にて測定し、その平均値を採用しています。肌の弾力性とともにみずみずしさも取り戻すことができていました。
このように春と秋の二度の肌試験によって季節要因とは関係なく、すばらしいサプリメントであることが確認されたのです……