ほんとに注目すべきは「吸収型CoQ10」!について(4)肝機能の改善にも有効
このシリーズでは、ヒト臨床試験や動物試験などの検討を通じ、「吸収型CoQ10(包接体)」と「ビタミンC」の併用サプリメント摂取によって得られた科学的根拠を紹介しています。
これまでに線維芽細胞活性化によるコラーゲン産生作用(シワの減少やキメの微細化による美肌効果)や筋肉細胞活性化による筋肉保護作用(基礎代謝の維持、みずみずしい肌の回復)などを紹介してきました。
今回は、現代社会で働くビジネスマン、特に一家の大黒柱、働き盛りのお父さんにとって気になる肝機能に目を向けてみました。肝臓は静かなる臓器とも言われ、悪くなっても滅多に症状が現れません。これは多くの人が知っていることでしょう。いつの間にか肝硬変や肝癌といった取り返しのつかない疾患を患っている場合も多々あります。その点でも肝機能障害を予防することは大変重要なのです。
肝機能が正常かどうかの評価に使われるバイオマーカーは、人間ドックでもおなじみで、最近はよく知られてきたAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)とALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)という2つの酵素です。
ASTは肝臓に多く含まれる酵素で肝臓を構成している肝細胞の障害の程度を測ることができます。肝臓が障害を受けて肝細胞が壊れると、細胞中から血液中に大量に漏れ出し、血液検査で検出されます。基準値(正常値:10~40IU/L/37℃)を超す場合は急性肝炎や肝硬変などの肝障害が疑われるのです。
また、ALTも主に肝臓に含まれる酵素で肝臓に障害があると肝細胞が壊れて血液中に流れ出るため、数値が上昇します。ALTの正常値は5~40IU/L/37℃です。
よって、血中のASTとALTの検査データを比較し、どのように肝障害を引き起こしているかを推測することができるのです。
ASTと ALTが何れも正常値のボーダーラインである40IU/Lを超えている47歳男性、ALTは正常だがASTが異常に正常値のボーダーラインを超えている48歳男性、そして、逆にASTは正常だがALTが異常に正常値のボーダーラインを超えている46歳男性の3人に「吸収型CoQ10(包接体)」と「ビタミンC」を配合したサプリメントを6週間摂取してもらいました。尚、それ以外の生活環境は変えないことを約束してもらっています。その結果、3人全員が異常値を示していたASTとALTはともに減少し、サプリメントによって肝機能障害が緩和されることが示唆されました。
私たちは、さらに、この「吸収型CoQ10(包接体)」の肝機能改善作用について、ラットによる試験を北山ラベルス株式会社に委託し、詳細に検討しました。
SDラットを6週齢で購入し、1週間馴化し、7週齢で実験を開始しました。胆管を結紮切断して縫合することで肝機能障害を誘発し、10匹ずつ4群(①Sham群:胆管を結紮切断していない、②対照群:胆管を結紮切断し縫合している、③CoQ10CD投与群:胆管を結紮切断し縫合し吸収型CoQ10(包接体)を経口投与している、④CoQ10投与群:胆管を結紮切断し縫合し未包接のCoQ10を経口投与している)に分けて、6日後のASTとALTを測定しました。
その結果、ASTに関しては、コエンザイムQ10(CoQ10)投与群は対照群より2倍に近い上昇が見られ、肝機能障害として悪影響しているようですが、CoQ10CD投与群は対照群の1/3にまで減少し、明確な肝機能改善作用が認められています。
また、ALTに関しても、CoQ10投与群は対照群より上昇が見られ、肝機能障害として悪影響しているようですが、CoQ10CD投与群は対照群と比較して、1/2以下に減少し肝機能の改善作用が認められています。
肝機能に問題が生じる前に、「吸収型CoQ10(包接体)」と「ビタミンC」を併用したサプリメントを摂取することで、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の改善に役立ち、また、肝臓の保護作用が確実に期待できるものと考えられます。