筋肉増強による基礎代謝の改善(3) 有酸素・無酸素運動と成長ホルモン
運動は、有酸素運動と無酸素運動に分けられ、ジョギング、ウォーキング、エアロビクスなど、低負荷で長時間続けられる運動が有酸素運動であり、ウエイトリフティング、短距離走など、息を止めて短時間に強い力を発揮する運動が無酸素運動です。有酸素運動のエネルギー源は糖と脂肪ですが、無酸素運動は糖だけなので無酸素運動で体脂肪は減少しないことになります。
ということは、内臓脂肪を落とすためには脂肪を燃焼する有酸素運動が必要ということになりますが、それだけではなかなか結果が出ないと感じている人も多いはずです。それは、なぜでしょうか?
前々回にも触れましたが、消費しているエネルギーの70%は基礎代謝で残りの30%が運動で消費されています。30分間のウォーキングで消費されるエネルギーは140kcalです。糖と脂肪の消費される割合は半々なので、脂肪が燃焼されるのは70kcalということになります。脂肪の量に換算すると1gが9kcalなので8gということになります。しかし、脂肪はグリセリンと脂肪酸への分解があって初めて燃焼されはじめるので、有酸素運動では分解が起こるまで時間がかかります。15分から25分の有酸素運動でやっと脂肪燃焼が始まることになります。
この分解を速めるためには『成長ホルモン』を出すことが鍵になります。『成長ホルモン』は骨や筋肉の成長を促すことが主な働きです。しかし、脂肪を分解する働きも持っているのです。『成長ホルモン』の分泌は20歳頃をピークに減少し、50代にはピークの5分の1まで減少します。実は、この『成長ホルモン』の減少が、筋肉を減らし、基礎代謝を減らし、そして、歳とともに痩せにくい身体にしていたのです。
では、どうやって歳をとっても『成長ホルモン』を出すか?
その答えは、有酸素運動の前の無酸素運動です。「無酸素運動」では確かに脂肪は消費できません。しかし、成長ホルモンが分泌されるのです。しかも、一旦出ると、その分解効果は6時間も持続するのです。事前の「無酸素運動」で有酸素運動を始めて僅か数分で脂肪燃焼が起こることが知られています。
つまり、運動の仕方を工夫すれば、効率よく、『成長ホルモン分泌』→『脂肪燃焼』→『筋肉増強』→『基礎代謝改善』と繋がり、いつまでも若い身体を保てることになります。
毎日の無酸素運動(20分)の後の有酸素運動(30分)とともに、脂肪燃焼効果の知られているL-カルニチンを摂取すると、さらに効率的な『内臓脂肪減少』が期待できます。