第73回 マヌカオイルの抗菌活性におけるシクロデキストリンの効果|株式会社シクロケムバイオ
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研究情報
研究成果

第73回 マヌカオイルの抗菌活性におけるシクロデキストリンの効果

背景

当社ではシクロデキストリン(CD)の包接機能を利用して、機能性成分の水溶性、安定性、バイオアベイラビリティなどを向上させる技術を有しております。また、ニュージーランド原産のマヌカの木から得られる、マヌカハニーやマヌカオイルを用いた研究を行っております。これらは特有の抗菌物質を含有していることで知られています(※詳しくは、当社ホームページの最新研究成果「第10回」、「第11回」、「第41回」、「第45回」および「第71回」を参照して下さい)。

本研究ではマヌカオイルの抗菌活性におけるCDの効果について検討しました。

マヌカオイルに含まれる抗菌物質:トリケトン類

実験 マヌカオイル-CD包接体の抗菌力評価

Staphylococcus aureus (IFO12732)
Candida albicans (ATCC18804)

試験サンプル

  • マヌカオイル-CD包接体
  • マヌカオイル
  • α-CD
  • スクワラン

試験方法

試験サンプルを含む液体培地にて菌を一晩培養し、それを寒天培地に塗扶してコロニーを形成させ、生菌数を確認。

結果 S.aureusに対するマヌカオイル-CD包接体の抗菌力

Fig. 1

棒グラフの値が小さいほど抗菌活性が高い。
→ α-CDおよびマヌカオイル単独では抗菌効果を示さなかったのに対し、マヌカオイル-CD包接体では抗菌効果が観測され、α-CD包接体の場合で最も高い抗菌活性が示された。

結果 C. albicansに対するマヌカオイル-CD包接体の抗菌力

Fig. 2

棒グラフの値が小さいほど抗菌活性が高い。
→ マヌカオイル-α-CD包接体では高い抗菌効果が観測された。また、βおよびγ-CD包接体の場合ではマヌカオイルよりも抗菌効果が低くなった。