γ-シクロデキストリンにもこんな効果が…
コエンザイムQ10の弱点を克服するγ-シクロデキストリン
コエンザイムQ10の2大作用
コエンザイムQ10は、私たちの体にとって必要不可欠な物質であり、体を構成する約60兆個のすべての細胞に含まれています。その重要性は何といっても、全身の細胞を活性化・強化する働きにあります。主要な作用として、次の2つが挙げられます。
- エネルギーの生産を促し、細胞を活性化する
- 強力な抗酸化作用があり、活性酸素を除去する(活性酸素から細胞を守る)
具体的に次のような効果を示します。
- 疲労回復・体力向上
疲労の蓄積を防ぐとともに、体力の向上を促す
- 美肌効果
肌の弾力性や水分量を向上させるとともに、コラーゲン分解酵素コラゲナーゼの働きを抑え、シワやタルミ、シミなどを予防・改善する
- 心機能を強化
心筋を保護・増強し、心臓の機能を高める
- 冷え症・低血圧を改善
血流を促し、冷え症や低血圧を改善する
- 関節軟骨の修復・再生
関節軟骨の構成成分であるコラーゲンやコンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸などの生成を促進する
- 自律神経失調症を軽減
全身の細胞を活性化させることで症状を軽減する
- ダイエット
基礎代謝量が向上し、脂肪の燃焼を促進する
- その他
歯周病の予防・改善、足のむくみの解消、免疫力の向上、がんの予防、老化防止、高脂血症治療薬(スタチン系)の副作用抑制など、さまざまな効果が認められています。
コエンザイムQ10の弱点を克服するγ-シクロデキストリン
コエンザイムQ10にはいくつかの弱点が指摘されています。
ひとつは、コエンザイムQ10は脂溶性のため、凝集しやすいことから、吸収性が非常に悪いという問題があります。
それで、食後に摂取することが勧められています。食事に含まれる脂質を乳化するために、胆のうから胆汁酸が腸に分泌されるので、コエンザイムQ10もその胆汁酸を利用しようというものです。しかし、コエンザイムQ10は、凝集しやすいので、胆汁酸による乳化も容易ではなく、十分な吸収性が期待できません。
またコエンザイムQ10は安定性にも問題があり、光や熱に弱いとされます。さらに、コエンザイムQ10はほかのビタミン類や抗酸化物質と一緒になると、配合変化を招きやすい不安定な成分であることもわかっています。
そこで、シクロケムがこうしたコエンザイムQ10の弱点を克服して、本来のコエンザイムQ10の機能を発揮するために研究・開発したのが、γ-シクロデキストリンでした。
γ-シクロデキストリンはコエンザイムQ10の吸収性を高める
γ-シクロデキストリンは、フタと底のないカップ状の構造で、その内側は親油性、外側は親水性であると説明しました。しかも、γ-シクロデキストリンの内径は0.9~1.0ナノメートルという分子サイズです。
CoQ10包接体では、脂質性で凝集したコエンザイムQ10が、分子サイズにバラバラにされて、γ-シクロデキストリンの内部空洞にすんなり取り込まれています。そして、外側は親水性ですから、凝集することなく水分で分散され、スムーズに腸まで届きます。
腸では、カップの中に取り込んでいたコエンザイムQ10がゆっくりと放出(徐放)し、腸管から吸収されることになります。重ねていいますが、放出したコエンザイムQ10は最も微小な分子サイズの状態ですから、すぐれた吸収性を示すのはいうまでもありません。
このようにCoQ10包接体では、コエンザイムQ10が効率よく吸収されるわけで、その摂取量にも大きく影響を与えます。例えば従来のコエンザイムQ10のサプリメントは、必要な効果を実現しようとすると、十分な吸収性が期待できない分を見込んで、それだけ多く摂取することが求められます。
一般的に、コエンザイムQ10は健康維持や老化防止のために必要とされる摂取量は1日当たり100~200mgとされ、病気などの改善のためには1日当たり約600mgといわれています。CoQ10包接体ならば、健康維持や老化防止のためには1日当たりCoQ10量換算で約20~30mg、病気などの改善のためには1日当たり約30~60mgが適量の目安となります。この数字の違いは、裸のコエンザイムQ10とCoQ10包接体では、吸収性に10倍以上の大きな差があることの証でもあります。
γ-シクロデキストリンはコエンザイムQ10の安定性・安全性を高める
CoQ10包接体では、コエンザイムQ10がγ-シクロデキストリンの内部空洞に取り込まれることで、コエンザイムQ10の吸収性を高めるだけでなく、光や熱に対する安定性も高め、またビタミンCやビタミンEなどとの配合変化を回避し、そのQ10の弱点のほとんどを克服して、十分な利用を可能にしています。
ところで、これまで、コエンザイムQ10の安全性については、さまざまな試験報告に基づいて、ほとんど心配ないとされています。関連機関にとって、安全性に対する目下最大の課題は、その許容摂取量の決定にあります。
しかし、じつは大きな見逃しがあったといわざるを得ません。それは、光や熱、空気(酸素)、などによるコエンザイムQ10分解物の安全性についての評価・検討です。
ラットを使用して、肝機能や腎機能などに対する各種のコエンザイムQ10分解物の有害性について探索試験を試みたところ、コエンザイムQ10の熱分解物で肝機能への影響が心配される結果が認められました。
コエンザイムQ10のすぐれた効果・効用を十分に利用するためには、その安全性が前提条件となります。その意味からも、裸のコエンザイムQ10と違って、CoQ10包接体では、光や熱、空気(酸素)、さらにビタミンCやビタミンE、などとの配合に対する安定性・安全性を確保することができます。
コエンザイムQ10の実力を、安全・安心のもと十分に享受できるのがまさしくCoQ10包接体なのです。
CoQ10包接体(包接化CoQ10)の様々な効果
CoQ10包接体(包接化CoQ10)による肌改善やひざ痛改善のしくみは同じ
CoQ10包接体は、コエンザイムQ10の吸収力を高めることで、コエンザイムQ10がもつ、「個々の細胞内でエネルギーの生成を促し、細胞を活性化する」、「強力な抗酸化作用があり、活性酸素を除去する」という2大作用を、細胞レベルで十分に働かせることを可能にしました。
それで、コエンザイムQ10が軟骨細胞に届くと、軟骨細胞を活性化し、関節軟骨の構成成分であるコラーゲンの合成を盛んにし、関節軟骨の修復・再生に効果を発揮します。
コラーゲンの合成を促すといえば、コエンザイムQ10が肌の真皮に届くと、真皮に存在する線維芽細胞を活性化して、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの合成を盛んにし、肌の弾力性や水分量を向上させることがわかっています。ところで、加齢や活性酸素により線維芽細胞の機能が衰えると、コラーゲン合成量などが低下し、皮膚の老化を促す大きな原因になるとされます。
また、肌では、紫外線の影響でコラーゲン分解酵素のコラゲナーゼが活性化すると、コラーゲンがバラバラに切断されることにもなりますが、コエンザイムQ10には、コラゲナーゼの作用を抑制する働きがあり、コラーゲンがバラバラに切断されるのを抑えます。
コエンザイムQ10は、こうした肌の弾力性や水分を向上させる作用と、コラーゲンの分解を抑制する作用を働かせることで、シワやタルミ、シミなどの予防・改善にすぐれた効果を示します。
最新研究成果 CoQ10サプリでの肌改善効果CoQ10包接体(包接化CoQ10)が筋肉を保護・増強
CoQ10包接体は、筋肉に対しても効果を示し、筋肉を保護するとともに、増強することがわかっています。ここでも、コエンザイムQ10のもつ、「エネルギーの生成を促し、細胞を活性化する」、「強力な抗酸化作用があり、活性酸素を除去する」という2大作用が素晴らしい働きを示すことになります。
コエンザイムQ10が筋肉を保護するしくみですが、CoQ10包接体を摂取することで、コエンザイムQ10が筋肉に存在する線維芽細胞に十分に届けられ、線維芽細胞を活性化し、筋肉内のコラーゲンを分解する酵素(コラゲナーゼ)の産生を抑制します。また、コエンザイムQ10の抗酸化作用により、活性酸素の消去に効果を発揮し、活性酸素がコラーゲンなどにおよぼす障害を防ぎます。
コエンザイムQ10には筋肉の増強作用もあるわけですが、これは、筋肉の細胞内でエネルギーの生成を促すとともに、筋肉をつくるタンパク質(コラーゲン、アクチン、ミオシン)の合成を促進する働きによるものと考えられます。
要は、コエンザイムQ10がコラーゲンの分解や損傷を防ぐ一方、その合成も促すという効果が大きく働いて、筋肉を保護・増強するというわけです。
ひざ痛にも筋肉は深く関与しており、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)が衰えると、ひざ関節の安定が損なわれたり、ひざに重さの負担が多くかかることになります。ですから、CoQ10包接体を摂取することで、コエンザイムQ10を十分に体内に取り入れ、筋肉を保護・増強することは、ひざ痛の予防・改善にもすぐれた効果を発揮することになります。
肢帯型筋ジストロフィーにも効果を発揮
日本では、コエンザイムQ10は厚生労働省の認可のもと、2001年に健康補助食品として、また2004年に化粧品として販売できるようになりました。
それ以前は、うっ血性心不全(心臓の筋肉が衰え、全身の血液を送り出しにくくなる病態)の治療に使用される医薬品でした。つまり、心筋を活性化させるために、コエンザイムQ10を補給していたのです。
さて、コエンザイムQ10の心筋への効果が認められていることから、そのほかの筋肉への効果も期待できると考え、肢帯型筋ジストロフィー(はじめは肩や骨盤付近の筋肉がおかされ、最後には全身の筋肉がおかされる疾患)の患者さんがCoQ10包接体配合サプリを摂取した体験について、一心病院内科の阿部敏紀先生らが報告しているので(2007年)、それを紹介しましょう。
症例:肢帯型筋ジストロフィー(59歳・男性)
筋肉の保護・増強への効果がここでも確認されています。
CoQ10包接体(包接化CoQ10)は高血圧の改善にも有効
コエンザイムQ10がコラーゲンの分解や損傷を防ぐ一方、その合成も促すという効果は、筋肉の保護・増強はもとより、高血圧の改善にも働くことが明らかにされています。
血圧は、心臓が血液を押し出すときに血管の壁にかかる圧力のことで、心臓が収縮して圧力が最も高くなったときを最大血圧、心臓が拡張して圧力が最も弱まったときを最小血圧といいます。WHO(世界保健機関)は高血圧の定義を「最大血圧140以上、最小血圧90以上」としています。
高血圧は、太い動脈の血管壁の弾力性低下、つまり動脈硬化から起こるとされます。大動脈の壁は弾力性のある網目状のコラーゲンからできており、このコラーゲンに血中の余分な糖が結合することにより、その弾力性が低下します。
なお、動脈の血管壁にある血管拡張神経は、最適な血圧を保持する血圧センサーとして働いています。血管壁の弾力性低下によって圧力が伝わりにくくなると、このセンサーが働かなくなり、血管が広がらなければならないときに広がらないと、圧力は高い状態を保つことになります。これが、高血圧です。
CoQ10包接体を摂取して、動脈の血管壁にコエンザイムQ10が十分に届けられると、コラーゲンの分解や損傷が抑えられるとともに、コラーゲンの合成が促されることで、血管壁の弾力性の保護・増強に効果を示します。その意味で、高血圧の予防・改善にも、CoQ10包接体はコラーゲンに作用することで効果を発揮するといえます。
CoQ10包接体(包接化CoQ10)でアンチエイジング
CoQ10包接体が筋肉を保護・増強することは、アンチエイジング(抗老化)にもすぐれた効果を発揮します。
私たちの体は水分とタンパク質と脂肪などでつくられています。年齢とともに、これらの比率が変わっていき、それは老化への道程と重なることになります。
体内の水分量は胎児で90%、新生児で75%、子どもで70%、成人で60~65%、高齢者で50%までに変化するといわれます。老化とは、水分が減り、みずみずしさが失われることにほかなりません。なぜ、体内水分は減っていくのでしょうか。それは、年を重ねるとともに、タンパク質が減少して、脂肪が増加することと密接に関係しています。
口から取り込んだタンパク質はアミノ酸に分解され、体内で再びタンパク質に合成されますが、この合成の際に、内部に水分子を包み込み、表面も水分子で覆われます。つまり、タンパク質は最大の水分貯留所といえます。それに対して、脂肪は水分をはじいて、内部に取り込むことがありません。
近年、体脂肪率を気にかける人が増えていますが、脂肪の比率が低いということはすなわち、タンパク質の比率が高く、みずみずしく若い体であることを示唆するものです。
そして、加齢にともない、タンパク質(筋肉)が減少して、脂肪が増加すると、自ずと、水分を抱え込む場所が少なくなり、水分が減ることになるのです。
なお、年を取るとともに、基礎代謝量(生命を維持するのに必要な最小限のエネルギー量)の平均値が減少していくので、同じように食べても、脂肪がついてしまうことになります。これが、加齢にともない、脂肪が増加する大きな理由のひとつです。
したがって、CoQ10包接体を摂取して、コエンザイムQ10を十分に体内に取り入れ、筋肉を保護・増強することは、すなわち、私たちの体内にあるおよそ500本の筋肉(骨格筋・心筋・内臓筋)を維持・強化することであると同時に、基礎代謝量や体のみずみずしさを保持・向上させ、いつまでも若々しさを保つアンチエイジングを実現することにもつながります。