シクロデキストリンとは?
シクロデキストリンは、デンプンから酵素反応によって合成されるブドウ糖を構成単位とする環状オリゴ糖です。環のサイズによってα、β、γ-CDと呼ばれています。このバケツ状の分子は、外側が親水性、内側が疎水性とユニークな物性をもち、その内腔にさまざまな分子を包み込んだり(包接)、放出する(徐放)ことができます。
シクロデキストリンは、そのユニークな機能性から、食品、医薬品分野にとどまらず、家庭用品、化学、工業、農業、環境などさまざまな分野で広く用いられています。ワッカーケミー社(ドイツ)は、世界に先駆けてこのシクロデキストリンの大量生産、低価格化に成功しました。その高い品質によって現在では世界シェア80%と、圧倒的な支持をいただいております。
株式会社シクロケムはワッカーケミー社の日本における総代理店になります。
この性質を生かして、次のような応用が可能です。
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安定化
光、紫外線、熱に不安定な物質をシクロデキストリンで包接することによって安定化する。
例コエンザイムQ10、αリポ酸、アスタキサンチン、レチノールほか
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マスキング消臭
嫌な匂い、味等を包接によって改善する。
例カテキンなどの苦味の低減
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徐放
有用成分(例えば香料、ヨウ素など)を予め包接しておき、徐々に放出する。
例ヒノキチオール、DEET、メントール、シトラール他香料オイル
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可溶化
水に溶けにくい物質を包接し、水に溶解させる。
例カテキン
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バイオアベイラビリティーの向上
有効成分を包接することによって分子間力を断ち切り、分子レベルで効果を発揮できるようにする。
例コエンザイムQ10
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洗浄効果
ある系から、汚れ成分を除去する。
例食用油、機械油、臭い成分
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粘度調整
粘度の高い物質を分子レベルで包接することによって分子間力を断ち切り、粘度を下げる。
例水性塗料などの粘度調整