ヒトケミカルで健康的にエイジング

α-シクロデキストリンは、トウモロコシ由来のデンプンから酵素の働きによって作られる環状オリゴ糖です。6つのグルコースが環状に連なってできており、環状オリゴ糖、α-オリゴ糖やα-CD(アルファシーディー)と呼ばれています。内径が0.5nmと非常に小さく、二酸化炭素のような非常に小さな分子も包接・徐放によるコントロールが可能です。
この分子カプセルのような振る舞いが、無限の可能性を秘めています。
α-CDの化学的情報
ユニークな構造をもつα-CDは、血糖値の上昇抑制、LDL-コレステロール低減や中性脂肪吸収阻害、整腸作用など様々な健康機能がある食品添加物として、食品開発にご利用頂けます。

血糖値上昇抑制効果

α-CDは、パンやご飯など糖質を含んだ食事と共に摂取することで、血糖値の上昇を抑制します。また、砂糖における血糖値上昇にも効果を発揮することが下記の試験で確認されています。

①白米を食べた後の血糖値

健康な男女10名に対してα-CD、0、2、5、10gをそれぞれ添加した消化性炭水化物50g含有白米を摂取させた際の血漿グルコース濃度の変化。double-blind randomised cross-over法に基づいておこなった。α-CDの摂取量増大にともなって、血糖値の上昇(iAUCと対応関係)が抑制される傾向が見られた。
参考文献:J.D.Buckley,et al.,Annals of Nutrition & Metabolism,50,108-114(2006)

②砂糖を食べた後の血糖値

マウスに対して、各量のα-CDを経口投与した後、20分後に砂糖を2g/kg(体重)経口投与し、その後の血糖値を測定した。その結果、α-CDは食後の血糖値上昇を抑制させた。
参考文献:第33回日本臨床栄養学会総会・第32回日本臨床栄養協会総会・第9回大連合大会講演要旨集, 124 (2011).

LDL-コレステロール低減効果

α-CDは、悪玉コレステロールとも呼ばれるLDL-コレステロールを下げる効果を持ち、体重の維持や減少にも役立ちます。

血中LDL-コレステロール値が境界域から軽症域を含む健常な男女28人において、α‐CDを1ヶ月摂取(2g/食、6g/日)した際、プラセボ群と比べ、体重、血中LDL-コレステロール値、総コレステロール値が有意に低下した。
*p < 0.05, +p=0.06 vs プラセボ群
参考文献:K. B. Comerford et al., Obesity (Silver Spring), 19(6), 1200-1204 (2011)

中性脂肪吸収阻害効果

α-CDは、脂質を含んだ食事と共に摂取することで、食事由来の中性脂肪の吸収を阻害し、食後の血中中性脂肪の上昇を抑制します。

血中中性脂肪が正常高値域からやや高めの者を含む18歳以上の健常な男女34人において、脂質を含む食事とともにα-CDもしくはセルロース(対照)を2g摂取し、食後の血中中性脂肪値を測定した。その結果、脂質を含む食事とともに2gのα-CDを摂取した群は、食後の血中中性脂肪上昇が抑制された。
*p < 0.05 (α-CD摂取群 vs 対照群)
参考文献:P. A. Jarosz et al., Metabolism Clinical and Experimental, 62 (10), 1443-1447 (2013)

さらに、1gのα-CDで9gの食事由来の中性脂肪を排泄することや、長鎖の飽和脂肪酸(摂りすぎると体に悪いとされる脂質)をより効果的に排泄する可能性がラットや試験管の試験で示されています。

1gのα-CDで中性脂肪9g分の吸収抑制

ラットを高脂肪食群と高脂肪食+α-CD群、さらに低脂肪食群に分けて、それぞれ6週間摂取させた後に体脂肪を測定したところ、高脂肪食群と比較して高脂肪食+α-CD摂取群において体脂肪低減効果が確認され、その傾向は低脂肪食群と同等であった。その結果から α-CDと食事の脂肪量を計算したところ、α-CDの効果としてα-CD 1gに対し、脂質 9gに相当することが示唆された。
ap < 0.05 vs 高脂肪食群
参考文献:J. D. Artiss et al., Metabolism Clinical and Experimental, 55, 195-202 (2006)

飽和脂肪酸の選択的排泄

飽和脂肪酸の中性脂肪(トリパルミチン)と不飽和脂肪酸の中性脂肪(トレオレイン)を等量加えた食餌をラットに摂取させた群(無添加)と、そこに食物繊維(キトサンまたはα-CD)を加えて摂取させた群、さらにα-CDを積極的に包接させた群、それぞれを1週間飼育した後に排泄物中の飽和と不飽和の比率を測定した。その結果、α-CDは飽和脂肪酸を選択的に排泄し、その傾向は包接させることによって高まることが判明しました。
ap < 0.05 vs 無添加
参考文献:D. D. Gallaher et al., Faseb.J, 21, A730 (2007)

善玉菌の味方!整腸作用

α-CDは、大腸などで腸内細菌によりゆっくり資化(栄養源にして利用すること)され、酢酸、プロピオン酸などの短鎖脂肪酸が増加します。その働きによって、善玉菌優位の環境(善玉菌が住みやすい環境)を作り、腸内環境を整えます。

α-CDを1日当り3g、3週間摂取すると、便中のビフィズス菌が3倍以上に、排便回数は約1.5倍になることが判明しました。(n=10)
データ提供:Wacker Chemie