マヌカハニーサイエンス
マヌカハニー研究ヒストリー The History of Manuka Honey Science
古くからマヌカハニーの特別な力は知られていましたが、“なぜ”そのような力があるのかまでは知られていませんでした。ここでは、マヌカハニーの持つ力や機能性を明らかにした研究のあゆみをご紹介します。
マヌカハニー研究のはじまり
1980年代後半、マヌカハニー研究の第一人者として知られるピーター・モラン教授率いるニュージーランド国立ワイカト大学生科学研究所の治療用ハチミツ研究チームが、「マヌカハニーの抗腫瘍活性や歯周病治癒効果などのさまざまな健康増進作用を科学的に立証し、しかもニュージーランドの特定の土地から採れるマヌカハニーには、特別の強い抗菌活性がある」ことを明らかとして、大きな注目を集めました。しかしながら、当時はマヌカハニーに含まれる特有の抗菌物質がどのようなものであるかについては残念ながら特定できていませんでした。そこで、名付けられたのが、「UMF(Unique Manuka Factor:ユニーク・マヌカ・ファクター)」です。ピーター・モラン教授はマヌカハニーの抗菌作用の効力を査定するために、消毒剤のフェノールの抗菌活性と比較する試験方法に従ってUMF等級分けを考案しました。つまり、マヌカハニーの抗菌活性度を表すUMF値は、消毒剤のフェノール希釈率を基準に計算され、UMF値=フェノール希釈%と。たとえば、UMF10はフェノール10%希釈液と等しいことになります。
しかし当時は、まだマヌカハニーの抗菌活性に関連する成分は明らかにされていませんでした。
マヌカハニーの抗菌成分の発見
2006年 ドレスデン工科大学、トーマス・ヘンレ教授によって、マヌカハニーの健康増進作用に関与する機能性物質が、食物メチルグリオキサール(MGO)であることが明らかにされました。また、マヌカハニーに含まれるMGOを正確に分析する方法が確立されました。
「UMFとMGO」の違いについてはこちら
MGOを含むマヌカハニーは、高い抗菌活性を融資、虫歯菌・歯周病原因菌に対する口腔ケア、黄色ブドウ球菌による皮膚感染症や、ヘリコバクター・ピロリ菌による十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胃がんなどが明らかになりました。
研究の発展、ニュージーランドから日本へ
マヌカハニーの研究は、日本でも広がりをみせています。
2008年、株式会社シクロケムバイオの研究チームによって、マヌカハニーと環状オリゴ糖であるαシクロデキストリンに関する相乗効果が学会にて発表されました。現在までにスキンケア効果、抗肥満作用、骨の健康増進作用など、多くの健康・美容効果が明らかとなりました。
そして現在に至るまでマヌカハニーの研究は、世界中の研究者の手によって進められ、新たな発見が見出されています。
シクロケムバイオのマヌカハニーに関する研究一覧はこちら
年表
1981年 | ピーター・モラン教授、マヌカハニーの過酸化物によらない抗菌活性を発見。 |
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1998年 | ピーター・モラン教授、UMF評価方法を開発。 |
2006年 | トーマス・ヘンレ教授、マヌカハニーの抗菌特性を担う主要な成分がMGOであることを発見。 |
2008年 |
トーマス・ヘンレ教授、MGOに関する論文「Identification and quantification of methylglyoxal as the dominant antibacterial constituent of Manuka(Leptospermum scoparium) honeys from New Zealand」を発表。 株式会社シクロケムバイオ、αシクロデキストリンとマヌカハニーの抗菌性に関する相乗効果が学会にて発表。 |
2015年 | 9月、ピーター・モラン教授ご逝去。 |