シクロデキストリンが生んだ「あの製品」

日本の食卓の必需品、チューブ入りわさびにも!

[写真] 本わさび

商品名 『本わさび』
会社名 ヱスビー食品株式会社
カプセル β−シクロデキストリン
その中身 アリル辛子油(アリルイソチオシアネート)
発売 2003年8月(継続発売中)

我が家の冷蔵庫にも!

和食に欠かせない存在、わさび。でも、生のわさびは手に入りにくいですし、丸ごと買っても使い切るのは難しいですね。その点、チューブ入りのわさびはとても便利、もはや日本の食卓の必需品です。
ここにも環状オリゴ糖が使われています。「ピリッと辛いわさびに糖??」と不思議に思うかもしれませんが、あの辛みの素を守っているのが環状オリゴ糖なのです。

アッというまに逃げる辛味成分

わさびの根の部分にはシニグリンという物質が配糖体の形で含まれています。このままではさほど辛くないのですが、すりおろすとこれが酵素で加水分解されてアリル辛子油(アリルイソチオシアネート)という成分に変わります。これがわさびやからしの辛味や香りの素。食欲も増進させます。
ツーンとくるのは揮発性の強いアリル辛子油が目や鼻を刺激するためです。当然、放っておくとどんどん空気中に逃げていってしまいます。生わさびがおろしたてでないとダメな理由もわかります。これを保存しようとすれば当然工夫が必要で、ここで環状オリゴ糖が役に立ちます。

環状オリゴ糖が守る、ニッポンのわびさび!?

アリル辛子油は油性物質で、環状オリゴ糖の内側も親油性。アリル辛子油をその中に包接して固定し、揮発の速度をぐっと落としてくれます。そのため、保存してチューブで少しずつ出して使ってもちゃんとツーンとくるのです。
ほかに、市販のチューブ入りおろししょうが、おろしにんにくにも環状オリゴ糖が使われている製品があります。ただし、どの製品ももともと非常に揮発しやすい物質を包接させていますから、開封後は冷蔵庫に入れてお早めに。

引用 『世界でいちばんちいさなカプセル』より