デリケートなレチノールをついに配合!ハリのある透明感に満ちた目もと…
- 商品名
- アヴァンセ アクションA-γ(目もと専用ジェル美容液)
- 製造販売業者
- ハリウッド株式会社
- 販売元
- アヴァンセ株式会社
- カプセル
- γ-シクロデキストリン
- その中身
- レチノール(うるおい成分)
- 開発
- 2003年5月~10月
- 発売
- 2003年10月(継続販売中)
ふっくらしすぎ?
「おやおや本郷さん、ものもらいまで作っちゃって。疲れてるんじゃない? 研究熱心だねぇ。」
「えっ、ものもらい…ですか???」
鏡を覗き込み、しばらく考え込んで彼女ははたと気付いたのです。
「そうか、効果出てるんだ。」
研究をはじめて数ヶ月。ハリウッド株式会社研究室主任/本郷亜希子さんが毎日のように目もとに塗り込んできた試作品は数知れず。小じわを改善するといわれるレチノールをハリウッドグループの中で初めて化粧品に配合することに挑戦し続けてきた彼女(当時29歳)の目もとは、いつのまにか20歳の頃のようにふっくらとしていたのです。
「うーん、ちょっと塗りすぎちゃったかな?」
変質しやすいレチノール
レチノールはビタミンAの一種で、肌の新陳代謝を高め、うるおいを与える効果から、しわに対する有効成分として古くから注目されていました。しかし、光や熱、酸素の影響を受けて変質しやすく、化粧品への配合は難しいとされていたのです。
20代最後の記念に!
本郷さんは入社8年目のこの年、20代最後の記念にと、20代女性をターゲットにした目の周り化粧料専門ブランド『アヴァンセ』シリーズの商品開発を担当。当時発売されていた『アヴァンセアクションA』という製品には、レチノールよりも変質しにくいパルミチン酸レチノールという物質が配合されていました。しかし、パルミチン酸レチノールの肌への効能はレチノールよりもはるかに劣るものです。また水に溶かすために使っていた界面活性剤もできれば排除したいものでした。
そこで彼女が立てた目標は2つ。純粋なレチノールを配合すること。デリケートな目もとに使う化粧品であるだけに界面活性剤はできるだけ使わないこと、でした。こうして『アヴァンセ アクションA』のバージョンアップが始まったのです。
守る&しみこむ 環状オリゴ糖の技
はじめはレチノールをビタミンC誘導体やビタミンE誘導体のような安定化剤で安定化した原料を使うことも検討しました。しかし、安定化剤の割合が高くレチノールの含有量が少ないわりには安定性が低い等、問題がありました。
ところが、環状オリゴ糖を使うと安定化剤を使った場合よりもレチノールの安定性が増し、紫外線や空気中の酸素による変質を防ぐことができました。
環状オリゴ糖の効果は安定化だけではありませんでした。レチノールを分子レベルで「個包装」することで、肌の奥まで浸透しやすくなったのです。また、徐放性が高まったことでレチノールが長時間にわたって肌に働きかけるようになりました。「小じわの原因となる乾燥から肌を守ることが実感できるようになったんです」と自信満々の本郷さんです。
ジェルタイプにして界面活性剤を排除
こうして純粋なレチノールを配合する、という難関は突破。もうひとつの目標は界面活性剤を使わないことでした。界面活性剤を使わないと、環状オリゴ糖に包接したレチノールが沈殿する可能性もあったのです。しかし、粘性の高いジェルタイプにするなどの工夫で、沈殿やポンプの目詰まりの心配もなくなりました。さらっとした感触でなじみが良く、べたつきのないジェルタイプは若年層の好みにも的中。アルミ様ボトルを採用して光を遮断し、厳重にレチノールを保護しました。
名前にも思いを込めて
生産原価と毎日にらめっこしながら、納得できる使用感と効果を求め、最終的に処方が採用されるまで試行錯誤を重ねた本郷さん。他社特許との兼ね合いもクリアし、ついに新製品がリニューアルデビューを果たしました。ハリウッドグループの中でレチノールを配合した化粧品は、この『アヴァンセアクションA-γ』だけ(2005年7月現在)。商品名の「γ」はγ-シクロデキストリンの「γ」から引用したものです。それほど、本郷さんにとって思い入れの強い一品なのだそう。