シクロデキストリンが生んだ「あの製品」

コエンザイムQ10を最も効率よく摂取するカギは環状オリゴ糖にあり

[写真] ナノサプリシクロカプセル化CoQ10

商品名 ナノサプリシクロカプセル化CoQ10
会社名 株式会社コサナ
カプセル γ-シクロデキストリン
その中身 コエンザイムQ10

話題のキューテンとは?

 強力な抗酸化作用をもつことで注目を集めているコエンザイムQ10(以下、CoQ10)。別名「ユビキノン」ともいいます。生体内のいたるところに含まれる物質で、細胞中のミトコンドリアという小器官に集中的に存在しています。
 CoQ10が生体内で担っている役割は、エネルギーを作る過程で酵素のはたらきを補うというもので、これがないとエネルギーを作るラインがストップしてしまいます。分類上は補酵素ですが、ビタミンのようなはたらき方をするので「ビタミンQ」とも呼ばれます。
 エネルギーを作る、というと漠然としてイメージが湧きにくいかもしれませんが、エネルギーはあらゆる細胞が活動するために必要なものであり、エネルギーが豊かであることは生体にさまざまな良い影響をもたらします。最近の報告では、肌のキメを整えるのに優れた効果を発揮することも見出され、注目を浴びています。
 もともと人体内で生合成される物質ですが、その生合成能力は20歳前後をピークに急激に低下するため、とくにいつまでも若々しくありたい女性たちに支持されています。食品ではレバー、モツ、牛肉、カツオなどに多く含まれていますが、食事だけで充分な量を補うのは困難といわれ、数々の栄養補助製品が出回っています。
 とくに心臓に多く存在するということもあり、もともとは心臓疾患のための医薬品として使われてきたCoQ10ですが、米国では早くからサプリメントにも配合されていました。日本では2001年の規制緩和により食品成分として認可され、健康食品素材として瞬く間に知名度が上がりました。

壊れやすく、吸収されにくい

 CoQ10はオレンジ色をしていて、においはなく、光や熱に非常に弱い物質です。また、水に溶けにくい物質なので、そのままでは生体内での分散が悪く、とくに空腹時はあまり吸収率が良くありません。
 しかし、γシクロデキストリンに包接すると、安定化によって変質しにくくなると同時に、水に溶けやすくなって分散性が向上し、空腹時でも吸収がよくなります。
 ビーグル犬へCoQ10を投与した後の血中濃度を測定した結果、包接しない場合と比較すると、10時間後の血中濃度の上昇率が約18倍と大幅にアップすることも確認されています。また最近、人による試験でも同様の吸収率向上の結果が得られています。
 『ナノサプリシクロカプセル化CoQ10』に配合されているCoQ10はすべて、γシクロデキストリンに包接させた『コエンザイムQ10γCD包接体』を使用しています。

量だけあっても仕方がない

 CoQ10ブームに乗って、そのサプリメントが各種発売されていますが、壊れやすく吸収されにくいという性質上、闇雲に量だけ摂取したつもりでも効果があらわれるとは限りません。
 『コエンザイムQ10γCD包接体』の重さの内訳を見ると、約20%がCoQ10、残りの80%は環状オリゴ糖です。それだけ聞くと、なんだか損をしているような気がする人もいるでしょう。しかし、重さの比率は効能の程度と比例するものではありません。80%という環状オリゴ糖の割合は、CoQ10をしっかり包接するために必要最低量を配合した結果であって、ケチって薄めた結果ではないからです。逆にCoQ10が80%を占めるようなサプリメントがあっても、そのうちの大半が効果を示すことなく変質してしまったり、吸収されずに排出されてしまったりするのであれば、まったくのムダです。
 健康食品を販売する業者には、中には有効成分の含有量表示をごまかして摘発を受けるようなところもあります。そんな業者は論外ですが、たとえごまかしがなくても、含有量だけで比較するのは、どんなサプリメントを選ぶときにも賢明ではありません。上手な選び方をしたいものです。

急速に支持を集めるγCD包接体

 『コエンザイムQ10γCD包接体』は株式会社シクロケムとドイツワッカー社との共同開発によって成功したもので、日本ではシクロケムだけがメーカーに卸している原料です。この『ナノサプリシクロカプセル化CoQ10』だけでなく、ロート製薬美活工房の『リポQ10B』、トキワ薬品の『ビューティーアソートサプリメント』、エルエスコーポレーションの『LSQ10核酸』、カネボウフーズの『カネボウコンニャクゼリープルジュレコエンザイムQ10』と『CUE(キュー)コエンザイムQ10ガム』、J-オイルミルズの『豊年CoQ10&リコピン』、DHCの舌下吸収式フィルム型サプリメント(2005年10月発売予定)、東レのフェイシャルマスク『夢衣夢中』等など、各社のサプリメント製品や化粧品などの原料としても利用されています。
 最近『コエンザイムQ10γCD包接体』への評価が高まってきたことを受けて、今まで包接体を使用していなかったCoQ10配合製品もこの包接体に切り替えようとする動きが、大手メーカー数社に出てきています。
 一方で、この動きに便乗しようと、安価な鎖状オリゴ糖(環状ではない)を配合して「包接体」と偽った商品を出す健康食品会社も現れています。これはもちろん「ケチって薄めた」だけのインチキ商品です。

二兎追うならば、一工夫を。

 サプリメントにはさまざまな効能を狙っていくつかの成分が一緒に配合される場合がよくあります。しかし、有効成分をいろいろ詰め込んでおけばそれぞれみんな有効にはたらく、というものではないのです。
 CoQ10は光や熱に弱いだけでなく、ビタミンCやビタミンE等ほかの抗酸化物質と一緒になると特に不安定となり、すぐに活性を失ってしまいます。このような物質を同時にサプリメントに配合する場合は工夫が必要なのです。
 『ナノサプリシクロカプセル化CoQ10』では、環状オリゴ糖の安定化作用を利用して、大豆イソフラボン、ビタミンC、ビタミンB群などをCoQ10と同時に配合することに成功しています。
 イソフラボンは骨粗しょう症などの更年期障害や、乳ガン、前立腺ガンなどホルモン依存性のガンに対して有効であることが知られ、注目を集めていますが、独特のえぐ味があって食べにくいのが問題です。しかし、環状オリゴ糖に包接させることにより、分子レベルでオブラートに包んだようにえぐ味がマスキングされ、抵抗なく食べられるように改善されています。この技術は2005年6月に発売された清涼飲料水『大豆ノススメ』(日本コカ・コーラ)にも応用され、同じくγシクロデキストリンによってイソフラボンのえぐ味改善に成功しています。

(参考資料)
九州大学健康科学センター堀田昇助教授の最近の研究(肌のキメを整えるのに優れた効果を発揮する)
寺尾啓二・学会発表論文(最後のページ)の14、17、18

『世界でいちばんちいさなカプセル』より編集・抜粋