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シトルリン(L-シトルリン)

シトルリン(L-シトルリン)は、スイカなどのウリ科植物の皮に多く含まれるアミノ酸の一種です*1

L-シトルリンは体内に備わっている毒性の高いアンモニアをより毒性の低い尿素に変換するためのオルニチン回路(尿素回路)に深く関わっています。
この回路の中でオルニチンはシトルリンに変換され、その後、アルギニンを経て、再びオルニチンに変換されます。その一方、アンモニアはそのサイクルを通じて尿素や一酸化窒素(NO)に変換されます。
アンモニアは高強度の運動中に乳酸生成を促すため筋肉疲労と関連しており、一酸化窒素は血管拡張作用や動脈硬化抑制作用を有します。

L-シトルリンには、体温を維持する効果や運動パフォーマンスの向上効果、抗ガン効果、抗心血管疾患効果、抗糖尿病効果、男性の性機能(Erectile Dysfunction: ED)の改善効果などが報告されていますが*1~3、その機能性の多くはオルニチン回路を介したメカニズムが関係していると考えられています。

さらに、L-シトルリンが豊富に含まれるスイカの摂取は、スポーツパフォーマンスの向上効果やガンに関係する潰瘍性大腸炎の予防効果において、L-シトルリンそのものよりも高い効果を示すことが報告されています*4、5(概要については、以下のリンク先*6、7をご参照ください)。

L-シトルリンの健康効果
  • 体温(手の甲中心および手首)を維持する効果
    (機能性表示 800mg/日*1[体の冷えが気になる女性]
  • 運動パフォーマンスの向上効果*3
  • 抗ガン効果*3
  • 抗心血管疾患効果*3
  • 抗糖尿病効果*3
  • 男性の性機能(ED)の改善*3

*1:上田和典ら, 薬理と治療, 46(5), 771-780(2018)

*2:A Shiota et al., J Sex Med, 10(10), 2423–2429 (2013)

*3:E. Aguayo et al., Appl. Sci. 2021, 11, 3293

*4:R. Ridwan et al., Prev Nutr Food Sci, 24(1), 41–48 (2019)

*5:M.Y. Hong et al., Journal of Functional Foods, 54, 520–528 (2019)

*6:城先生と寺尾先生の知って得するかも? 健康・化学まめ知識健康編:シトルリンを含むスイカの効能(その1.スポーツパフォーマンス向上)(livedoor.jp)

*7:城先生と寺尾先生の知って得するかも? 健康・化学まめ知識健康編:シトルリンを含むスイカの効能(その3.大腸炎と大腸がんの予防効果)(livedoor.jp)

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