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カルニチン(L-カルニチン)

カルニチン(L-カルニチン)はヒトケミカル(ヒトの生体内で作られている生体を維持するための機能性成分)の1つであり、生体内で脂肪酸をミトコンドリアに運び、脂肪の燃焼を促す働きをもちます*1。しかし、体内での合成量は年齢とともに減少します。

L-カルニチンには、脂肪の燃焼を促す効果*1、筋肉量の増加効果*2、運動機能の向上効果*2、疲労感の軽減効果*2、認知機能の改善効果*2などが報告されています。

さらに、L-カルニチンは片頭痛の改善効果を持つことが報告されています*3。片頭痛は脳のエネルギー不足が1つの原因であるため、エネルギー産生に関わるミトコンドリア機能が片頭痛の病因において重要な鍵を握っていると考えられています。そのため、正常なミトコンドリア機能の維持に関わる栄養素の1つであるL-カルニチンは片頭痛の改善に寄与したものと考えられています*3

また、男性の性機能に関して、精液中のL-カルニチン濃度は精子の質と密接に関連しており、L-カルニチンの摂取は精子濃度や精子数、高運動性精子の比率の改善に有効であることが報告されています*4(概要については、以下のリンク先*5をご参照ください)。

L-カルニチンの健康効果
  • 脂肪の燃焼を促す効果*1
  • 筋肉量の増加効果*2
  • 運動機能向上効果*2、6
  • 疲労感の軽減効果*2
  • 認知機能の改善効果*2
    (百寿者の人が認知症スクリーニングに用いられる検査法によって評価された研究)
  • 片頭痛の改善効果*3
  • 男性の性機能(精液や精子の質)の改善効果*4

*1:K.D. Wutzke et al., Metabolism, 53(8), 1002-1006 (2004)

*2:M. Malaguarnera et al., Am. J. Clin. Nutr, 86(6), 1738-1744 (2007)

*3:M. Fila et al., Nutrients, 13(12), 4433 (2021)

*4:M. Costa et al., Andrologia, 26(3), 155-159 (1994)

*5:精力維持と増強のための機能性素材(2)クリルオイル&カルニチン|株式会社シクロケムバイオ(cyclochem.com)

*6:王堂哲, 外科と代謝・栄養, 54(2), 81-84 (2020)

原料の詳細情報

L-カルニチンはヒトケミカル(ヒトの生体内で作られている生体を維持するための機能性成分)の1つであり、生体内で脂肪酸をミトコンドリアに運び、脂肪の燃焼を促す働きを持ちます。他にも運動能力向上、認知機能の改善にも有用であることが報告されています。
L-カルニチンの体内での合成量は年齢とともに下がっていくこと、日本人は普段の食事からの摂取量が比較的少ないことから、サプリメントによる摂取が必要です。

L-カルニチンの効果についての研究情報

L-カルニチンによる運動持久力の向上効果

L-カルニチンの摂取によって運動持久力が向上するという例が報告されています。
L-カルニチンの継続的な摂取による長距離走者の運動持久力が向上について、試験実施前の4年間にフルマラソンを走破した経験のある長距離走者(27~38歳)7人に2g/日のL-カルニチンを6週間摂取させ、その前後でのランニング能力を比較しました。その結果、最大疾走速度は20.1±0.64km/hから21.3±1.28km/hとなり5.7%向上しました。また、トレッドミルによる運動負荷を8km/hから開始し、3分毎に2km/hずつ増加させた試験では、17~19km/hでの分時心拍数が有意に低下しました。また、平均酸素消費量も低下しました。この研究により、持久系アスリートにおいてL-カルニチンの摂取は身体能力を向上させるということが示されています。

王堂哲 外科と代謝・栄養, 54 2 (2020)
Swart Iら Nutr Res, 17 405-414 (1997)

L-カルニチンによる脂肪燃焼効果

L-カルニチンによる脂肪燃焼促進効果が報告されています。
カルニチンは、体内で脂肪を燃焼するミトコンドリアに脂肪酸を運び、効率よくエネルギーに変換するためにはたらきます。この研究では、18歳~30歳のBMIが24~27kg/m2のやや過体重の女性7人、男性5人に3g/日のL-カルニチンを10日間摂取させました。炭素の安定同位体を用いて累積の二酸化炭素排出量を測定したところ、L-カルニチンを摂取した方で二酸化炭素排出量が上昇し、脂肪燃焼の促進が示唆されました。この研究により、やや肥満のヒトの脂肪燃焼を促進するためにL-カルニチンの摂取が効果的であることが期待できます。

Klaus D.ら Metabolism, 53 8 1002-1006 (2004)

L-カルニチンによる認知機能の改善効果

L-カルニチンによる認知機能の改善効果が報告されています。加齢に伴う神経伝達効率の低下は、シナプスからのアセチルコリン放出減少によります。L-カルニチンはアセチルコリンの合成促進により認知機能が改善すると考えられています。この研究では、100~106歳の男性24人と女性46人を2群にわけ、L-カルニチン摂取群またはプラセボ群に無作為にわけ、2g/日で1日1回6か月間摂取させました。その結果、L-カルニチン摂取群で認知機能を検査するミニメンタルステート検査(MMSE)の点数が有意に上昇しました。この結果により、L-カルニチンを摂取することで、高齢者の認知機能の改善が示されました。

Malaguarnera Mら AM J CLIN NUTR, 86 6 1738-1744(2007)

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