原料の詳細情報

NMNは食材では、枝豆、ブロッコリー、アボカドなどに含まれています。生体内では細胞のエネルギー産生のために重要なニコチンアミドモノヌクレオチド（NAD+）の中間体として、ミトコンドリア内でのエネルギー代謝、DNA損傷修復、遺伝子発現、ストレス応答を制御に深くかかわっています。
NMNはサーチュイン遺伝子（長寿遺伝子）を活性化させるため、若々しさや体力の回復、代謝が上がる等の効果が期待できます。また、抗炎症、抗肥満、脳機能改善効果といった様々な効果を持ち併せているため、健康で若々しい体作りをサポートします。

NMNの効果についての研究情報

NMN摂取によるATP産生向上効果

私たちの体は運動すると、筋肉を動かすために筋細胞がATPを消費します。ATPはミトコンドリアという器官で生産され、その量が多いほど筋肉を長時間疲れることもなく動かし続けることが可能になります。NMNの摂取によるミトコンドリアでのATP産生の向上について報告がなされています。6ヶ月齢および22ヶ月齢のマウス（人の年齢に換算すると、20歳または60歳）に、体重1kgに対して1日1回500mgまたは同等量のリン酸緩衝液（PBS）を8日間連続投与した後のATP量が報告されました*2。PBSを投与されたグループと比較して、NMNを投与したグループでは、ミトコンドリアのATP量が有意に上昇しました。よってNMNの摂取により筋肉の疲労軽減、運動パフォーマンスの向上が期待できます。

*2：Ana P. Gomes et al., Cell, 155, 1624 (2013)

NMN摂取による抗老化効果

老化に伴い、骨格筋、肝臓、膵臓、皮膚、脂肪組織、脳などの機能低下が顕著に表れますが、NMNはこれらの組織の機能低下を抑える働きがあります。脳機能においては、記憶力を低下させたラットに対するNMN摂取の効果についての検証が行われ、2016年に論文発表されています*3。この研究ではラットを、①脳機能が正常のグループ、②脳機能を低下させたグループ（アルツハイマー認知症で特異的にみられるアミロイドβ1タンパクを脳内に導入し脳機能を低下させた）、③脳機能を低下させた後、NMNを体重1kgに対して500mg投与したグループに分け、各グループにおいてラットの記憶力を「モリスの水迷路」という試験により調べています。その結果、脳機能を低下させたグループでは、記憶力の低下がみられたのに対し、脳機能を低下させた後NMNを摂取したグループでは、正常脳のグループと同程度の記憶力でした。よって、NMN摂取により脳機能が改善されたことが示されました。

*3：Xiaonan Wang et al., Brain Research, 1643, 1(2016)

NMN摂取による美肌効果

NMNの抗酸化効果やDNAを修復する効果により、紫外線から肌を保護し、美肌効果を保つことが期待できます。
2021年にNMNによる紫外線保護効果についてマウスを用いた検討結果が報告されました*4。この研究では、マウスに対し①UVB照射はせず生理食塩水投与、②生理食塩水を投与した後にUVBを照射、③体重1kgに対して300mgのビタミンCを投与した後にUVBを照射、④体重1kgに対して300mgのNMNを投与した後UVBを照射、の4グループにマウスを10匹ずつ分類し、UVB照射後の皮膚の状態を調べています。下図では、コラーゲン繊維は青紫色をしています。UVB照射をしなかったグループでは、多くのコラーゲン線維が存在し正常な配列を示していました。これに対して、UVBを照射したグループではコラーゲンが非常に少なく、UVB照射によりコラーゲン線維が劣化したことが示されました。皮膚真皮のコラーゲン線維数は、UVBを照射したグループに比べて、ビタミンCおよびNMNを投与していたグループで増加しました。特にNMNを投与していたグループでは、コラーゲン線維の状態はUVB照射をしなかったグループと同様で、NMN摂取は肌の状態を維持するために非常に効果的であることが示されました。

*4：Xianrong Zhou et al., J Inflamm Res. 14, 5165 (2021)