ポリコサノール、ポリコサノール包接体
ポリコサノールは、サトウキビや米ぬか、小麦胚芽や蜜蝋などから得られる高級脂肪族アルコールです。
特にサトウキビ由来ポリコサノールには、血中総コレステロール値やLDLコレステロール値を低下させ、LDLコレステロールとHDLコレステロールの比率を改善する効果があることが報告されています*1~3。この効果のメカニズムとして、ポリコサノールが肝臓でコレステロール生合成に関わっているHMG-CoA還元酵素の作用を抑制し、コレステロールの生合成量を減少させることが考えられています*4。
さらに、ポリコサノールには近年、専門家の間でLDLコレステロールよりも重要視されつつある小型LDL(small dense LDL)コレステロール値の低下作用が報告されています*5(小型LDLコレステロールの重要性についてはこちらをご覧ください)。この小型LDLコレステロール値は血中中性脂肪値と正の相関関係にあることが知られており、ポリコサノールの作用機序については体内での中性脂肪の合成抑制が関与していると考えられています*5。
それらに加え、ポリコサノールには二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドを低減させる肝機能改善作用*5や運動によって生じる酸化ストレスの軽減作用*6、精神的ストレスの緩和作用*7なども報告されています。
ポリコサノール包接体は、環状オリゴ糖(αオリゴ糖)を用いてサトウキビ由来ポリコサノールを包接※した製品です。包接体にすることでポリコサノールの水分散性や吸収性の改善が期待されます*8、9。また、αオリゴ糖には小型LDLコレステロール値の低下作用が報告されているため*10、ポリコサノールとの併用効果が期待されます。
環状オリゴ糖の空洞に有効成分が取り込まれることを包接、環状オリゴ糖に有効成分が取り込まれたものを包接体と言います。
- LDLコレステロール値の低下効果
(機能性表示 5~10mg/日*1、2) - 小型LDL(small dense LDL)コレステロールの低減作用*5
- 肝機能改善作用(アセトアルデヒド低減作用)*5
- 運動によって生じる酸化ストレスの軽減作用*6
- 精神的ストレスの緩和作用*7
- 水分散性の向上*8
- 吸収性の改善*9
- 小型LDLコレステロール値の低下作用(併用効果として)
*1:Gladys Castaño et al., Curr. Ther. Res. Clin. Exp., 64(8), 522-537(2003)
*2:Ernesto López et al., Revista CENIC Ciencias Biologicas, 41(1), 31-37(2010)
*3:Muhammed Majeed et al., J. NutraCos, July/August, 16-19(2007)
*4:Roberto Menéndez et al., Archives of Medical Research, 32(1), 8-12(2001)
*5:ポリコサノール メタボ、超悪玉コレステロール、肝機能改善に | 健康食品 原料 | 日油株式会社 健康専科(nof.co.jp)
*6:Sang-Ho Lee et al., Int. J. Sports Physiol. Perform., 14, 1297-1303(2019)
*7:Mahesh K. Kaushik et al., Sci. Rep., 7, 8892(2017).
*8:特許US20110071110A1
*9:大西麻由ら, 第37回シクロデキストリンシンポジウム 講演要旨集, 171-172(2021)
*10:近本啓太ら, 第38回シクロデキストリンシンポジウム講演要旨集, 65-66(2022)