ピロロキノリンキノン(PQQ)
ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩
ピロロキノリンキノン(PQQ)は、酸化還元酵素の補酵素として微生物から発見された機能性成分で、ピーマンやパセリ、納豆などに微量含まれています*1。PQQの欠乏は成長障害、免疫反応性の低下、生殖能力の異常などを引き起こす可能性があると報告されています*2。このようにPQQは健康の維持に深く関わっていますが、ヒトの体では生合成されないため、食事やサプリメントによって補うことが望ましいと考えられています*3。
ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩には、注意力やワーキングメモリー(作業記憶)を維持する効果が報告されています*4、5。この効果には、抗酸化や脳血流の増加効果などが関わっていると考察されています。
また、性に関する機能については、PQQには精子の運動能力の維持・向上に伴った生殖能力(受精能、受胎能)の改善効果が確認されています*6。
関節に関する機能については、PQQには関節や変形性関節症の症状を緩和する効果*7、8が報告されています。この効果には抗酸化作用や抗炎症作用などが関与していると考察されています。
さらに、PQQはミトコンドリア機能を高める作用を持つことが報告されています*9。ミトコンドリア機能は精神疾患と関係しているため*10、PQQには精神状態を安定に保つ効果が期待されます。実際に、PQQの摂取により不安や怒り、抑うつなどのネガティブな気分が軽減され、疲労感、睡眠の質などが改善されることで、生活の質(QOL)が向上したとの報告があります*11。
- 注意力やワーキングメモリー(作業記憶)を維持する効果
(機能性表示 20mg/日*4)[加齢による記憶力の低下が気になる中高年の方] - 男性の性機能(精子の運動能力)の改善*6
- 関節炎症状の緩和効果*7、8
- 抗炎症*7・抗酸化作用*8
- ミトコンドリア機能の向上効果*9
- 抗疲労効果*11
- 睡眠の質の改善効果*11
- 気分の改善効果(怒り、不安感、食欲、抑うつ、強迫観念など)*11
*1:Takeshi Kumazawa et al., Biochem. J., 307, 331-333 (1995)
*2:Mitsugu Akagawa et al., Biosci. Biotechnol. Biochem., 80(1), 13–22 (2016)
*3:Michael Murray, Nutrafoods, 17, 125-129 (2018)
*4:Yuji Itoh et al., Adv. Exp. Med. Biol., 876, 319-325 (2016)
*5:Yoshiaki Shiojima et al., J. Am. Nutr. Assoc., 41(8), 796-809 (2022)
*6:特許7429927
*7:Zhongbing Liu et al., Inflammation, 39(1), 248-256 (2016)
*8:Ran Qin et al., Am. J. Transl. Res., 11(3), 1460-1472 (2019)
*9:Calliandra B. Harris et al., J. Nutr. Biochem., 24(12), 2076-2084 (2013)
*10:中村雅之ら, 九州神経精神医学, 58(2), 77-82 (2012)
*11:Masahiko Nakano et al., Functional Foods in Health and Disease, 2(8), 307-324 (2012)