グルコサミン
グルコサミン塩酸塩
グルコサミンはヒトの関節や関節軟骨、皮膚、血管などといった組織の柔軟性や潤いを保持する作用を持つグリコサミノグリカン類を生合成するための原料になる成分です。
グルコサミンには、膝関節機能を改善する効果*1、2や肌の水分保持に役立つ効果*3などが報告されており、サプリメント素材として利用されています。
- 運動における関節軟骨を保護する効果
(機能性表示 グルコサミン塩酸塩として1500mg/日*1) - 膝関節の違和感を和らげる効果
(機能性表示 グルコサミン塩酸塩として1500mg/日*2) - 肌の保湿をサポートする効果
(機能性表示 グルコサミン塩酸塩として1500mg/日*3)[肌の乾燥が気になる方] - 関節痛の予防・軽減効果*4、5
- 軟骨保護作用*6
- 抗炎症作用*6
- 歩行速度の改善効果*7
*1:百村ら, 薬理と治療, 45(11), 1843-1850(2017)
*2:Ostojic et al., Res. Sports. Med., 15, 113-124(2007)
*3:梶本ら, 日本食品科学工学会誌, 48(5), 335-343(2001)
*4:R. Braham, et al., Br. J. Sports Med., 37, 45-49(2003)
*5:Isao Nagaoka, Juntendo Medical Journal, 65(2), 184-193(2019)
*6:Isao Nagaoka, Juntendo Medical Journal, 60(6), 580-587(2014)
*7:T. Izumo, Functional Food Research, 16:35-39, 2020
原料の詳細情報
グルコサミンは最もシンプルなアミノ糖の一つで、カラダの中でグリコサミノグリカン類(ヒアルロン酸やコンドロイチンなど)を作り出すための重要な物質です。グリコサミノグリカン類は関節、関節軟骨、関節液、皮膚、血管などといった組織の柔軟性や潤いを保持する作用があることから、グルコサミンの摂取により健康・美容増進効果やロコモティブシンドローム予防、運動パフォーマンスの向上が期待できます。
グルコサミンの効果についての研究情報
グルコサミン摂取による関節痛軽減効果
グルコサミンからグリコサミノグリカン類が生合成され軟骨組織が柔軟・潤滑化されることで、加齢や怪我に伴う膝の痛みを軽減する効果が期待されております。
ここでは日常生活の中で膝の痛みを感じている男女46人を被験者として、被験者をプラセボ群(22人)とグルコサミン摂取群(24人)に分け、毎朝2000mgのグルコサミン-サプリを3ヶ月間摂取しました。ひざの痛みについては変形性膝関節症などの判定で使用されるアンケートをスコアにしてグルコサミンの効果を検討しています。その結果、膝の痛みの緩和が関係した「生活の質の向上」のスコアについて、8週間、12週間後においてプラセボ群に対してグルコサミン摂取群で有意に改善効果が示されました*4。
*4:R. Braham, et al., Br. J. Sports Med., 37, 45-49(2003)
グルコサミン摂取による関節痛予防効果
グルコサミン摂取による関節痛予防効果を評価した研究があります*5。
関節軟骨に含まれる潤い成分であるII型コラーゲンは関節運動に伴い分解され、尿中に排泄されます。つまり、尿中の分解物濃度が高い程、関節が酷使されており、将来的な関節痛に繋がりやすいと言えます。この尿中のII型コラーゲン分解物の濃度を関節軟骨への負荷の指標として、グルコサミン摂取による保護効果が検討されました。この研究では、特に膝関節を酷使するサッカープレイヤー(大学生)を被験者としています。被験者(20.2±1.1歳)をプラセボ群とグルコサミン摂取群に分け、グルコサミン摂取群は1日1回、運動後30分以内に2000mgのグルコサミン-サプリを4ヶ月間継続摂取しました。その結果、グルコサミン摂取群では試験の前後で排出されるコラーゲン分解物の濃度が有意に低減していることが確認されました。
以上より、グルコサミンは運動による関節軟骨中のコラーゲンを保護し、運動パフォーマンスをサポートすることが期待できます。
*5:Isao Nagaoka, Juntendo Medical Journal, 65(2), 184-193(2019)